2020年4月9日木曜日

五感の記憶の訓練は想像の世界に生きる架け橋

演技とは信じることだと言われる。

スタニスラフスキー、そしてストラスバーグに受け継がれた、俳優訓練の基本、五感の記憶を親友の三嶋恵子さんの強い意志の協力の申し出を受けて、15課題の全てをビデオ収録し、近々発表することになった。

この五感の記憶の訓練の全ての課題を修得し、デモンストレーションできる者は、世界で僕とミユキ・ヒラノしかいないと思っている。

ストラスバーグの五感の記憶の訓練の全てを週二回の彼の個人のクラスを2年間でマスターした。

彼にもう、来なくていいし、授業料も払わなくて良いと言われた。

しかし、彼の教師としての魅力に引き込まれて、10年間通い続けた。

授業料も払った。

俳優訓練の難しさは、普段の生活で実際に使っているこの肉体と感情が、俳優の演奏する楽器となることである。

役になりきるために、恋心を表せ、嫉妬心をさらけ出せ、劣等感を見せろ、性の要求を露わにしろと言われる。

これらの役の感情など、何処にも落ちていない。

自分自身の体験、自分の感情を使うしかない。

しかし、多くの俳優は、感じたフリをする。

それでは、とても観客を感動させることはできない。

舞台は想像の世界だ。

演技はその想像の世界を信じる事だと言われる。

相手役を恋人だと信じて実際に胸をときめかせる事が出来るだろうか?

俳優は自分の感じたこと、考えたことをあるがままに表現できる能力を獲得するための基礎的訓練が、【センソリーウォーク・五感の記憶】の訓練である。

トップクラスの俳優に自分の秘められた感情をさらけ出せない俳優はいない。

演技訓練とは想像の世界で自分の全てを、役のために自分をさらけ出す訓練だと、想像の世界に生きたいと思う俳優は誰でも認識している。

五感の記憶の訓練は、その架け橋となる大切な訓練だと確信している。




NY ザ アクターズ・スタジオ
正会員
ZEN HIRANO

2020年4月8日水曜日

アクターズ・スタジオ 合格した理由


僕は何故3日でメンバーになったのだろう。

当時 、たまたま偶然に、僕の意思に反して、他人に引っ張りこまれ、アクターズスタジオに見学者として、連れ込まれた。

この演劇の世界には、全く無知であった。

その後、生まれて初めて一女性から強引に、
「ゼン!五分でいいから、雪国を演出してくれ」
と強引に頼まれ、演出のえの字も知らなかったのに、演出させられた。

すると、アイディアが止まらず1時間以上になり、公演では、スタンディング オーべーションにあった。

また、チャック ・ゴードンが、やってきて、二人で組んで、「ダム、ウエーター」のギャングの役をやり、演技を絶賛されてたりした。

しかし、メンバーになりたいと思いもしなかった。

あの時は、何が何だか断る理由も見つからず、アクターズスタジオの最終試験を受ける事を同意した形になった。

合格して、翌日のクラスで、ストラスバーグが、メンバーのみんなに紹介した時、
「ゼンはメンバーになった意義を自覚していないだろう」
と言われた。

ありがたい、とも思わず、全く何のことか自覚がなかった。

では、他の俳優達が、何年もかけてやっとメンバーになるのに、なぜ、3日で受かったのだろう!

ここに、声を大にして伝えたいことがある。

ストラスバーグの俳優の基本訓練法の最重要課題をマスターしていたからだ。

スタニスラフスキーからストラスバーグに受け継がれた俳優訓練・五感の記憶を完璧にマスターしていたからだ。

五感の記憶の課題の一つ、プライベート モーメント。

舞台に上がって、他人の目をいかにシャットアウトできるかだ。

このエクササイズは、ストラスバーグの貴重な、偉大なる発見だと思う。

彼は、ひとの目を一切気にしない場所はどこかと考えた。

自分の部屋であると。

頭で考えるのではなく五感の記憶で自分の部屋を信じられるまで、徹底して訓練してみようと決心した。

街を歩いている時も何時も自分の部屋と一緒に歩いた経験を思い出す。

この公開の孤独と呼ばれる アプローチは、自分の人に見せたくない事をメンバーの前で、やって見れば、成功したかどうか、すぐわかる。

僕はこの訓練の成否を確かめてみたかったために、素っ裸になってみた。

自分の部屋だと確信した。

99パーセント。
100パーセントだったら病院行きだ。

なんの抵抗もなかった。

アクターズ スタジオ歴史上、人の目を一切気にしないで、素っ裸にになれたのは、僕が初めてだと言われた。

嬉しかったと思う一方、終って恥ずかしいと思った。

ストラスバーグに対する恩返しだ。

(アクターズ・スタジオでは、このような基本的訓練は、一切やらない。彼の個人のクラスのみ)

最終試験の舞台に上がったときに、自分の部屋の黄色い床が見えた。

生まれて初めての最終試験なのに、何の抵抗もなかった。

大勢の審査員が見えているのに、何の抵抗も無く怒り、悲しみ、挫折感を、そして、自分の全てをさらけ出すことが出来た。

スタニスラフスキー、ストラスバーグの発見した偉大なるもう一つ最重要なエクササイズは、感情の記憶である。

自分の過去人生で一度か二度体験した悲劇的な感情を(通常40分かかると言われるものを、訓練によって1分までに縮る)思い出す訓練だ。

僕は時間をかけて これもマスターしていた。

具体的な感情の記憶の訓練方法は、この一年間の河口湖合宿クラスで、全員に修得させたいと思っている。

メソードアクティングは、感情の記憶とも言われる。

ストラスバーグは言った。

「我々の訓練はオールド ハット、つまり、使い古された帽子だと言われる事もある。しかし、我々は演劇の本流泳いでいるのだ。」

ストラスバーグの40年間、アクターズスタジオのクラスに一度も遅刻しなかった。

彼の演劇に対する情熱に、当時を思い出して、熱いものが込み上げてくる。

全15種類ある五感の記憶のエクササイズを、生徒とともにビデオに収録して、後世に伝えたいと思っている。


NY ザ アクターズ・スタジオ
正会員
ZEN HIRANO

2020年4月7日火曜日

五感の記憶の訓練の必要性




~合宿クラスに向けて~

ストラスバーグの五感の記憶の訓練の実際をビデオに残したいと前々から考えていたところ、親友の三嶋惠子さんが「是非やりましょう」と率先して申し出てくれた。

この五感の記憶・センソリー訓練はスタニスラフスキーから、受け継がれて、ストラスバーグが現代社会に生き残れるよう改良され、俳優訓練の基本中の基本だと思っている。

この訓練はアクターズスタジオでは教えていない。

ストラスバーグが主催する個人のクラスで実施されていた。

メンバーたちは有名になると一般人と同じ訓練にナレーション有りでした。

なかなか参加できない。

もし、トップクラスの俳優たちがこの五感の記憶の訓練をマスターしていたら、悩みは半減し、自信を持って舞台に立つことができると思っている。


例えば、恋に落ちた場面を舞台で演じるとする。

俳優は決められた場所と時間で、しかも観客の視線の前で相手役に恋に落ちなければならない。

恋に落ちる事とは、女にとって、自分のパートナーが “安全な環境” を与える人物かどうかを、無意識的に調べていると言われる。

同時に、彼女達は、“物狂おしい” 思いとも戦っているので、食事や睡眠をとれずに、彼のことを考えながらボーっとすることしかできない状況がまさにそれだと言われている。

俳優は、毎晩この様な危機的な状態を観客の前で体験し、表現しなければならない。

しかも、相手役は大嫌いな人物かも知れない。

映画で何回か、美しく 、無謀だと思われるシーンを見たことがある。


俳優の仕事は、自分の全てを曝け出す、無謀で美しい仕事。

しかも、10回に9回実現されることを要求される。

もちろん、映画会社は、利益を求めるので美男、美女を要求する。

スターを夢見る若い俳優たちが多いが、一応この現実を知っておいて欲しい。

当時、アル・パチーノは、毎朝5時に起きて訓練を続けていたし、デ・ニーロは、役のために実際タクシードライバーを1ヶ月続けた。

若い時にスターを夢見るのは良い。

しかし、俳優の真の要求を知ってほしい。

「俳優になりたいという欲求は、高く舞い上がりたいと欲求であり、想像の世界に生きたいと言う欲求だ!」
とゴードン・クレイグが言っている。

俳優の悦びとして想像の世界に生きるためには、「五感の記憶の訓練」が必要だと確信している。

現在、活躍している俳優たちが、アクターズスタジオに入るため、何年もかかっているのに、 僕はこの訓練をマスターしていたために、3日前に最終試験に招待され、(それ以前に、演技と演出を高く評価されていた)合格できたのは、この「五感の記憶の訓練」を習得していたおかげである。

今回 、クラスをスタートさせようと企画したのも、一年かけて、俳優達に参加してもらい、三嶋恵子さんの協力を得て「五感の記憶」のビデオを後世に残したいとの想いである。

ただ単に、有名になりたいという絵空事ではなく、俳優の基本訓練を習得したいと切望する若者に、今回の企画に参加して欲しいと切望している。


NY ザ アクターズ・スタジオ
正会員
ZEN HIRANO


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ゼン・ヒラノ 演技スタジオ
合宿クラス
4月1日開校!
河口湖スタジオにて!
☆1年コース☆
メソード演技訓練 1年間でメソード演技術15課題を全て終了させます。
1年後には卒業証書発行!
*スケジュール
「月曜日~金曜日」
6時30分~7時
肉体訓練 太極拳等
19時~21時
メソード演技訓練
「土曜日 」
12時から15時 作業
「日曜日」
休み
「授業料 」
宿泊費含めて月謝9万円
*年間受講者は、アルバイトしながら充分生活できる価格にしました 。
☆短期クラス☆
1ヶ月 18万円
1週間 7万円
・合宿クラスの食事は自炊となります。
・空き時間には、スタジオ使用自由使用可能。自主練習ができます。
☆プライベートレッスン☆
1日受講者 2時間 3万円
お問い合わせ・お申し込み
info@zenhirano.jp

2020年4月6日月曜日

『神との対話』に魅せられて

『神との対話』の本に、僕にとって強い衝撃を与えられたことばに出会った。

「すべての人、すべてのものに神を見て、物事は完璧だと思いなさい。」

自分を振り返ってみると、いつも、不平不満、批判、欠乏等々を抱いてきた。

「神の存在無くして此の世の何一つ存在しない。目の前の人も、一輪の花にも神が存在し完璧なんだ」
と書かれている。

息を吐く、息を吸う、何十年も心臓が動き続ける。

閉じた目を開けると 朝日に照らされて、カップが見える、部屋が見える。

ガスに火がつく。

青い炎だ。

カボチャが煮溢れる音がする、匂いがする。

ワイフが僕の書斎に朝食を運んできた。

歯がカボチャを砕き、舌が味覚を捉え、喉に送る等々。

「全ての人間の命活動は神の存在の証しだ」

自分の生活態度を振り返ってみて、不平、不満、疑念が多い。

自分勝手に作り上げた想像に悩み苦しんで、時間とエネルギーを浪費しているような気がする。

「見れば信じられるという人もいるし、信じれば 、見えてくると言う人もいる」

いま目の前に夕日に当たって、淵が輝いている青色をしたコーヒーカップがある。

石器時代からこのカップが存在するまでに人々の莫大な時間と努力と想いが詰まっているのだと想いにふける。

科学者は4次元の世界を証明した。

この地球上に巨万の富を抱えて、逃げ回っている人がいる一方、毎日6万人の人が餓死しているという。

ビッグバンから135億年の時を経てこの争いの絶えない、名もない地球上に生を得て、一輪の花の美しさに心を奪われる。


神は言った。
「全ての人、全てのものに神を見て、物事は完璧だと思いなさい」




NY ザ アクターズ・スタジオ
正会員
ZEN HIRANO


読み返してみて、全く支離滅裂な文章、神様だけが読んでくれるのかな?

2020年4月5日日曜日

ストラスバーグの五感の記憶の訓練を世に広める

最近の世の中の風潮を観ると上昇気流を待って、それにうまくのって舞い上がればいいと考える傾向があるような気がする。

努力をしなくて良いのだ。


うまく風を掴めば良いのだと。

トップの俳優の世界ではそれは通じない。

トップクラスの俳優達の役の人物の人間理解に対する努力は、すざましいものがある。

一人の役の人物の人生を理解し、体験するには、上昇気流を待っているわけにはいかない。

役の人物を理解し、役の目を通して、俳優は世界を見れるようにしなければならない。

最近スピルバーグ演出の「ペンタゴンペーパーズ」を観たが、メリル・ストリープとトム・ハンクスの演技は、この物語を伝えようと俳優の使命感と役の体験を自分の体験にする熱烈な情熱を感じさせられた。

彼達は、上昇気流を待っていない。

自分の羽根を動かし、遠く高く飛翔しようとしている。

東京を目指すオリンピック選手も見てもわかる。

誰も上昇気流を待っていない。

人知れず毎日の訓練の積み重ね。

目的の達成のために、毎日過酷に自分と向き合っている。

ここで、俳優訓練に関して大きな悩みがある。

俳優は人間と言う生きた生身の楽器を使って 演 奏する。

この生きた楽器は、社会生活に適応するために嘘をつく。

嫌いなのに好きだと言ったり、好きなのに嫌いだと言ったりする。

俳優訓練で、まず要求されるのは、あるがままに、感じるがままに、表現出来るよう訓練する事だ。

社会生活では無理だが、舞台では許されるし歓迎される。

あなたが殺人鬼の役を演じるならば、殺人鬼ぶらないで、自分の中にある殺意を使うべきだ。

誰でも殺意は持っている。

夜、うるさく付きまとう蚊を叩き潰したいと思うのも殺意だとスタニスラフスキーは言っている。

誰でも経験する事だ。

恩師ストラスバーグは偉大なるスタニスラフスキーから学んで、現代の要求に合うように俳優訓練を構築した。

それが五感の記憶の訓練である。

これを10年かけて完全にマスターしたのは僕だけだ。

この遺産をたやしたくない

僕が演技の才能を認められ、3日前に年に一度の最終試験に招待され合格した。

この五感の記憶の訓練をマスターしたからだ。

アル ・パチーノやロボート・デ・二ーロが、合格するのに何年もかかっているのに。

1年間の合宿クラスを開く目的は、ストラスバーグの俳優訓練法の遺産を相続し、広めて欲しいからだ。

15ある五感の記憶の訓練を1年間でマスター出来るようにプログラムした。

誰でもアルバイトをしてやってけるように一ヶ月9万円とした。

また、この訓練の模様をビデオに撮って、世界に発信したいと考えている。

幸い僕には社会貢献に強い関心を持っているプロの経営コンサルタントが付いているので、彼と相談しながら確実にこのプランを実現させたいと思っている。

この、ストラスバーグの訓練を完璧にマスターしたミユキ ・ヒラノと共にこのプランを確実に完成させたいと思っている。

鉄は熱いうちに打てと言う。

質問や面談にいつでも応じる用意もあるが、しかしこの機会に無条件で飛び込んで欲しいと思っている。




NY ザ アクターズ・スタジオ
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ZEN HIRANO

2020年4月4日土曜日

ミユキ・ヒラノ河口湖合宿クラス

 〜映画鑑賞会について~

テレビ番組でお宝なんとかという番組を見たが、出品者がこの品物は100万円の価値があると言うが、プロの鑑定家に3万円だと言われる。

俳優の演技にしても、同じことが言える。

日本の殆どの俳優が、画面に登場するその俳優が、役を体験しているか、振りをしているか、見分けがつかない。

例えば、実人生でレストランに食事に行くとする。

 何処に座るかを考える。

 日本のほとんどの俳優は考えた振りをする。

 実人生では、何を食べようかメニューを開いて真剣に考える。

考えれば生きられると言われる。

セリフは覚えたら忘れろ、相手のセリフで思い出せと言われる。

これが出来なければ、アカデミー賞はとても無理。

センス オブ トゥルース、
真実に対する感覚と言われる。

骨董屋に丁稚奉公入った者に主人は、一流の品しか見せないという。

本物に対する感覚を植え付けるためだ。

ここ河口湖のミユキの合宿クラスは、全ての訓練はミユキを通して行われるが、週に一回、僕が受け持ってテレビを通して、真実に対する感覚を受講生に植え付けたいと思っている。

毎週、教育して、一年経ったらこの真実に対する感覚を身に付ける事になると確信している。

ストラスバーグは言っていた。
「俳優は、この真実に対する感覚と共に成長する。」

トップクラスのある俳優達は、現場でみんなが拍手しても、もう一度やらして欲しいという理由もそこにある。





NY ザ アクターズ・スタジオ
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ZEN HIRANO

2020年4月3日金曜日

ミユキ・ヒラノの訓練法

ミユキ・ヒラノがここ河口湖で、合宿クラスを開く事になった。

彼女は、僕と違って生徒達と対話を交わしながら時間をタップリととって、生徒のそれぞれの要求に従って、訓練を進めていく。

単に結果を求めるのではなく、生徒の人間的な豊かさ、成長に重きを置いているように思える。

彼女の、教師としての経験は30年以上。

単に演技指導をするのみならず、それぞれの生徒の性格、特徴、可能性を見極める。

演技力のみならず、人々に親しみ好かれる人材を生み出す指導方法を確立したと信じている。

芸術活動のみならず、すべての分野で秀でるには、才能と努力が要求される。



俳優の世界は、人間という楽器を使って戯曲に書かれた人物を演奏しなければならない。

調律されたピアノであれば、指で一定のタイミングとエネルギィーの強さで正確に欲しい音が出る。

俳優と云う楽器は社会生活に適応出来るように訓練されて嘘をつく。

好きでもないのに好きだと言ったり、嬉しくないのに嬉しい顔をする。

俳優になる為には、あるがまま、感じるがままの音を出す為の訓練を要求される。

俳優訓練は子供になる訓練だと、昔から言われている。

考えた事、感じたことを即、表す。

子供と、犬が出て来れば、名優も一歩引き下がると言われる程。

まず、俳優訓練は、考えるまま、感じるままを表す訓練だ。

つまり、調律された自分と云う楽器を持ち、想像の世界で演奏する。

俳優訓練は人間訓練と言われる。

この点において
 ミユキの訓練法は、たとえ、どんな方向に人生を推し進めても、自分らしさをほとばせながらやっていけるようにな人材を、世に送り出せると確信している。


NY ザ アクターズ・スタジオ
正会員
ZEN HIRANO



最近、友人の紹介で不思議な人に出逢った。

経営コンサルタントである。

40歳前後だと思うが、頑なまでに真剣に自分の仕事に向き合っている。

地域社会の人々の暮らしの相談にのる一方で、縄文時代の人々の暮らし振りに共鳴し、人々を集めて「縄文塾 」を開いている。

縄文時代の人々は、自然や周囲の人々を大切したと言われる。

現代の人々が忘れかけたこの日本人の精神を彼は復活させたいのではないかと思っている。

今回のミユキによる合宿クラスも、彼の強い要望によってスタートする事になった。

ミユキの人柄、能力を見抜いての提案だと思っている。

最近、いろいろな人達が集まってきて、この河口湖スタジオも新しい風が吹き抜けている。

とても嬉しい。


ZEN
 

2020年4月2日木曜日

天使大下先生



アイパッドのメモ帳アプリを開いて驚いた。

僕のこれまでの投稿が400以上だと知った。

驚いた!

勝手気ままに思いついたことを、書き並べたので申し訳ないと感じている。

自分の事ながら、これまでに僕の心に一番深く心に残る文章は、
「僕は松葉杖をついた天使に出会った。」である。

この天使大下先生は、87歳。

昨夜、多分僕がめまいをしたとのことを聞き、駆けつけたのだろう。

施術をしてくれた。

僕の心に深く残るこのエッセイをもう一度掲載させて頂きます。


👼♢♢♢♢♢♢♢♢♢👼


「僕は、松葉杖をついた天使に出会った」

彼女は84歳。

西に病の人の求めあれば、大きなリュックを背負い、カバンを斜めにかけ、両手の松葉杖で不自由な脚を庇いながら夜行バスに乗る。

絶えず穏やかな笑顔をたたえて。

東に求めの声あれば又、松葉杖を携えて東の夜行バスに乗る。

彼女は施術師である。

常に笑みを浮かべて疲れた様子を見せた事がない。

淡々と注意深く人の心と体の疲れを揉みほぐしていく。

彼女の悠久の大河の流れを想わせる態度に時間は存在しないように思えた。

今回、僕は部屋に横たわり、庭を見ながら彼女の施術を受けていた。

庭の木が風で美しく揺れ動いている。

僕は心と体が緩んでいき、静かな時間が流れているのを感じていた・・・
暫くして、理由もなく目頭が熱くなり僕の目から涙が流れてきた。

何でこんなに感傷的になったのか訝しげに思った。

それから、しばらくして、このおぼろげな想いが何なのかはっきりして来た。

僕の背の後ろで人間の形をした天使が黙々と仕事をしている。

それは天使だ、彼女は天使だ!

 紛れも無く天使だ!
と確信した。

喜びとも愛おしさとも言えない涙が、止めどなく静かに溢れて来た。

 (こんなに泣いたのは、30年前に恩師が他界した時以来だ。)

僕の部屋に天使がいる!

ふと思った。

我々は、いつも、 大勢の天使に出会っているのに気づかないのかもしれない。

そうこう想いにふけっているうちに、別の感情がやってきた。

すまない、もったいないないという思いだ。

その思いに満たされて、又、涙が溢れて来た。

僕のような凡庸な人間に天使はかかづりあうべきではないと。

世のため、人の為に命まで投げ出した偉大な人 達がこの世には、大勢いる。

ガンジー、キング牧師、マリア テレサ、リンカーン 、そして、 ご高齢なのに身体の不自由を押して被災地に駆けつける天皇陛下と美智子妃殿下。

又、野球の練習は絶対に見せなかったのに、脳梗塞を患って、同じ病の人々を勇気づける為にリハビリを公開している長嶋選手等々、数え上げたらきりがない。

天使達よ!

 僕のまわりでウロウロするな。

これらの偉大な人々のところに翔んで行って、彼らの心と体の疲れを癒して欲しいと。

またして、ふと気がついた。

これら偉大な人達はみんな天使かも知れないと・・・

庭に夕陽が傾いていた。
    
松葉杖をついた僕の天使よ!

有難う。

とても、愛しています。



NY ザ アクターズ・スタジオ
正会員
ZEN HIRANO

2020年4月1日水曜日

俳優として生きるには



 親友の恵子さんに誘われて河口湖のほとりにある円形劇場にやって来た。

一般の人達が寄り添って楽しく、日常の責任から解放されて、みんなで勝手気ままに歌って楽しい時間を謳歌していた。

いつも芸術を目指して、全神経を張り巡らして映画等、鑑賞しているのだが、この会は誰もそんなことを気にしないで、勝手気ままに子供達も一緒でみんなで楽しむために時間を共有していた。

暫く笑ったり、拍手しながら楽しい時間を過ごしていたが、心の片隅で僕はアートをやりたいのだと強い要求がうごめいていた。



毎日、何時間も優れた演技力をアカデミー賞候補レベルの俳優達を、テレビで凝視する。

今では、その俳優が画面に登場した途端にそのレベル、力量を評価出来るようになった。

人生では一人残らず過去の荷物を背負ってやってくる。


以前、小さな劇場でアル・パチーノが、深い悩みを抱え(あたかも重荷を背負っているという印象を受けた)登場して、相手役に相談するが、解決されず、又、重い荷物を背負ったまま舞台を後にした印象が強く残っている。

俳優の画面に登場するのを見るとき、どんな荷物を背負って登場するかどうかがその俳優の力量評価につながる。

人生では誰でもそれぞれの荷物を背負って登場するからだ。

人生の荷物とは、生活費の問題、健康の問題、人間関係、将来に向けてのプラン、夢、希望、挫折感等々。

あなたの今の状況を考えてみれば解る。

アメリカの僕の尊敬する演出家エリア・カザンは、
「演技とは人間理解だ」
と言っている。


俳優として舞台に登場する時、役のどんな荷物を背負って登場するかだと思う。

どの分野も同じことを要求されると思うのだが、一流になるのは、才能が必要だ。

才能があっても努力が無ければ使い物にならないという。

若い人達でスターを夢見る人達が多い。

スタニスラフスキーは、
「スター性は、天からの贈り物だ」
と言う。

舞台に立ってライトを浴びて初めてわかる。

もし、あなたが、スターを夢見ているのだったら、舞台に上がってライトを浴びてみると観客がざわめくかどうかだ。

しかし、俳優の仕事が喜びであり、役の人生を体験したいと思うなら、スターになるなどの夢は捨てて、自分の人生を演技に費やしたらいい。

ストラスバーグ言っていた。
「99パーセント想像の世界に入り込め!残り1パーセントの意識があれば、舞台から転げ落ちることはない。」



「俳優になりたいという欲求は、想像の世界に生きたいと云う欲求であり、高く飛翔したいという欲求だ」
と、ゴードン・クレイグ は言っている。



99パーセント!を目指そう!


想像の世界に一歩足を踏み入れ、想像の世界を信じ、愛し、命を燃やしてみよう!



NY ザ アクターズ・スタジオ
正会員
ZEN HIRANO