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2017年12月7日木曜日

第45回『神との対話』に魅せられて



今秋、三泊四日で、紅葉を見る為に、台風の真っ只中を軽自動車で東北の山中、林道を走り込んだ。

車の中で寝泊まりしての一人旅。

走行距離1200キロほどになった。

特に帰りの高速では強風で車は大揺れ、吹き飛ばされそうになった。

30年ほど前になるが、恩師ストラスバーグが他界した時、そのすぐ後にオートバイで、ニューヨークを後にし、一カ月かけて大陸横断をした経験がある。

彼のもとを離れて旅立つのだという意識があったのだと思う。

今回の旅で、あの当時の砂漠での強風や、デス バレーの灼熱の太陽や、一寸先も見えないほどの豪雨の中を走った経験を思い出した。

50CCしか乗ったことの無いのに、いきなり1100CCのオートバイにまたがり、第1日目に氷を踏みつけて30メートル程滑り込んだ。

近くにいた人達が駆けつけてきて助け起こしてくれて、みんなで記念写真を撮ったが、僕の顔だけ笑ってはいるが、眼は引きつっていた。

師に、
「怖いと思ったら一歩前に出ろ」
と教わっていたので、これは危険だな辞めておこうと思うと、一歩前に出てしまう。

今回も岩手から秋田にかけての2、30キロある荒れはて、全く人気の無い林道を走り周った。

自分の体力を確かめて観たいという思いもあったが、
この「真昼林道」は日本で一番美しい紅葉の場所だと云われている。

今回で四度目だが、崖崩れで入れないことが多い。

ここの紅葉の息を呑む美しさは、言葉でも、写真でも表せない。

ただ、感動あるのみ。

そして無言を強いるこの紅葉美は、神の存在の証しだと確信させられる。

神様に会う為に、来年もまた、ノコノコとあの林道に出掛ける事になると思う。


ZEN