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2017年9月26日火曜日

第九章 俳優を目指す若者たちへ

「センス オブ トルース(sense of truth)」

真実に対する感覚という言葉がある。

自分の演技に対する真実の感覚だ。

一流に成れば成るほどこの感覚が鋭くなっていく。

トップクラスが現場で、全員が「ブラボー!」と叫んで拍手しているが、首をひねってもう一度やらせてくれと言う。

僕が初めてストラスバーグの前で演技した時、彼が僕に向かって
「ゼンのやった演技の全てを信じることが出来る。ただし、カップにコーヒーが入っていなかった。」
と指摘された。

勿論、訓練の場で実際にコーヒーなど入れたりしない。

「想像の世界でコーヒーは入っていなかった!」

このストラスバーグの指摘は、
真実の感覚に対する僕の一生の宝になった。

今、僕は俳優が舞台に、画面に登場した途端、
その俳優の真実の感覚のレベルを指摘することが出来る。

ZEN


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