2019年4月23日火曜日

質問に答えて

ゼン先生

 最近、僕の課題の1つでもあります集中について研究と考察をしています。
そこでメソード演技に関する書物をいくつか読んでいるのですが、その中に集中を訓練する練習法を試しているのですが、ゼン先生に意見をお伺いしてみたいと思っています。
練習の内容とは、
ある一定の時間(例えば30秒)のあいだ、スタンド、絵、椅子、机などのありふれた物をじっと観察する。それからその物を見ないで、その色や形、特徴などを、できるだけくわしく説明する。椅子の色、外形、木材の種類、構造、組み立てに用いられた材料、はては、それにまつわる歴史にまで気づくようになったら、次に観察の時間を短縮していくというものです。...
僕自身試している段階ですが、集中ということに限れば全く意味の無いものでは無いと感じてはいます。ゼン先生の意見をお聞かせ頂ければと思っています。宜しくお願い致します。



「上記の質問に答えて」
ゼン・ヒラノ

どんなエクササイズも気になるものがあったらやってみたらいい。

やってみて自分にとって役に立たたなかったらやめればいい。

 俳優の訓練の重要な課題は頭で想像されたものを目の前に置くことだ。

舞台に立って「ここはあなたの部屋ですよ。」と言われて信じることができるだろうか?

 頭では簡単に自分の部屋を想像できるが、できたかどうか実感したかったら、人前では絶対にやらないことをやってみたらいい。恥ずかしいと思ったらできていない事になる。

 演技とは信じる事だと言われる。

 僕は五感の記憶を徹底して訓練する事によって達成可能だと信じている。

10回のうち9回出来なければプロといえない。


ZEN



 

短期合宿クラス見学レポート

長期コミュニティー生
私は今回の合宿は記録係として参加させてもらった。本来はコミュニティ生の私は短期合宿に参加することはできない。土日は訓練が休みであり、何より今回の合宿はワズさんとアサヒさんの時間だからだ。そういった状況の中で、私も同じ空間に入ることを快く許可し てくださったワズさんとアサヒさんに感謝します。そして、記録係という肩書きで私の成長も考えて参加を提案してくださったゼン先生に感謝します。
...
いつもは毎日自分が主観となって訓練をしているので、他の人が訓練をしているのを見るのは新鮮であり、刺激的だった。ワズさんは力強さが素晴らしかった。ダイナミックでおおらかであった。何より想像の世界に入る自分を迷わず信じていた。アサヒさんはとても繊細で想像力が豊かだった。その想像力ゆえに自分をコントロールできないなんて私から言わせればなんて羨ましい悩みだろうと思ってしまうほど素晴らしかった。そんな2人から私も刺激をもらい、盗めるものは全て盗むつもりだった。ゼン先生が2人を指導している時に私にも共通する修正点がたくさんあった。私に言われてると感じるほど多くあった。

お風呂の時間にワズさんと楽しく一緒に入った。お湯に浸かりながら演技やプライベートのことをたくさん話した。その時間は私にとってとても素敵な時間になった。自分の好きなことを話し、共感し合える喜びを感じた。

 夜はゼン先生の部屋で私含め3人でアメリカンダンスのオーディション番組を観た。言うまでもなく、ダンサーは素晴らしい。素人の私でも分かるくらい技術のレベルが高かった。だが、ゼン先生が注目したのは審査員の方だった。審査員は一人一人の個性が際立っており、全員意見が違う。たった一言に個性が出る。そして、相手の意見を尊重する。審査員も人間であるからみんな意見が割れる。そんな時も相手を責めずに自分も引かずに意見を言う。審査員も観客を楽しませるように話す。その審査員の中に女優でダンサーの人がいた。その人は子どもような人だった。全てをオープンにして顔の表情で感情が誰でも読み取れるくらいオープンだった。その姿に感銘を受けて私も心の底からそうなりたいと思った。

夜になるとアサヒさんと話す機会があった。アサヒさんとは連絡したこともなかったので、どんな人か気になっていた。話していくうちにお互いに仲を深めていった。私のことを何度も面白いと言ってくれた。それを素直に人に伝えることができるのが素晴らしい。その言葉が私にとってどれだけ嬉しいか本人は知らないだろう。俳優はエンターテイナーだからいつだって人を喜ばせたい。ここ河口湖に来てから私と会った人を全員笑顔にさせたいと思いながら生活している。これからも私はたくさんの人を喜ばせる人になる。

今回の合宿で記録係としてたくさんの気づきがあった。いつもは1人だから仲間と一緒に過ごす喜びを感じることができた。2人に出会えて本当に良かった。いい刺激をもらえてこれからまた一歩ずつ進んでいく。私は毎日成長している。これからもっともっと天井を突き抜けて宇宙に行くくらい成長してみせる。その姿を2人に見せるのを楽しみにしている。最後に冒頭にも書いたが、今回の合宿で記録係として参加することを許可してくれた2人に感謝しています。そして、何より参加を提案してくださったゼン先生に心より感謝をしています。

長期合宿クラス レポート 4月12日

ゼンヒラノ先生
ミユキ先生
今日の教え

 成長は神の存在の証。

今日はこの言葉をゼン先生から頂いた。
木が種から大木になるのは神のおかげなのだ。
小さな種が大木になるには、様々な肥料が必要だ。
雨や日差し、土からの栄養など多くある。

ここゼンスタジオもそうなのだ。

人間は既に種を必ず持っている。
それを大木にするのか芽が出ないのかは全て自分次第だ。
そして、肥料を与えてくれるのがゼン先生やミユキ先生だ。
だから、重要なのは自分に種があるということを自覚することだと思う。
そうすればあとは高く大きく育つだけ。

 夜の訓練では、気合いを入れる、タタタンPG、ビッグな動き、4つのクオリティーを順番にした。


形は段々と良くなってきたが、中身がないとミユキ先生に言われた。
本当に自分が感じてないと観客に伝わらない。
逆に言えば、自分が感じているならそれは絶対に観客に伝わるということ。
私はまだ自分で感じることができていない。
感じようと努めているが、観念的になっている。
それは皮膚感覚で身体に染み込ませたい。
身体が覚えると絶対に忘れない。
これにはどうしても時間がかかる。

焦らず、力まず、じっくりと時間をかけてエクササイズに取り組んでいきたい

長期合宿クラス レポート 4月11日

ゼンヒラノ先生、
ミユキ先生の今日の教え

 今日はアルバイトの初日だった。本当に学ぶことが数えきれないくらいある仕事場だと思った。まずは、作業である。飲食店だから昼間に長蛇の列ができる。その時の厨房の忙しさは体験したことがある人は分かるだろう。だから、作業は早く正確にすることに努める。精一杯自分のベストを尽くして作業する。次にお客さんとのコミュニケーションだ。会った時の挨拶、食べ終わった後の感謝など必ずお客さんと関わらなければいけない。そんな時に挨拶に加えて何か一言だけ添えると良いとゼン先生が言った。世の中色んな人がいて自分の思っている反応をしてくれる人は少ない。だが、そんなことを気にしていたら人生もったいない。常に私は成長するんだという気持ちで臨みたい。

  夜の訓練では、自己認識を高めることができた。
自分の動きが全然できていないことに気がついた。自分で感じていないのに観客が感じるわけがない。まずは、自分が感じなければいけない。だが、今日は感じていないことに気づけた。なら、次はどうしたら感じることができるのか。いろいろ試しながら試行錯誤を繰り返す。すると自分は認識と共に成長していることを実感するのだ。

長期合宿クラス レポート 4月10日

ゼンヒラノ先生、ミユキ先生の今日の教え

 私は怒りの感情強く溜め込んでいると、ゼン先生に言われた。

ほとんどの人が怒りの感情が強いらしい。それは怒りは日常で最も抑える感情だから。だから、解放するのが最も難しいが、解放できたらそれが本当の自分だということだ。少しでも怒りを感じたらすぐに吐き出す。(都会に住んでいると、いつでも何処でもというわけにはいかない。)河口湖スタジオではいつでも三階のスタジオに駆け上がって、体を投げ出し、大声を出し大暴れして抑圧された感情を思う存分吐き出すことが出来る。身体を動かさないと怒りは吐き出せない。抑圧された感情の全てを吐き出して真っ白なキャンパスにしないと新しい色を塗ることができない。まずは、自分の内側を全部出すところから始めなければならない。

 訓練では、何を目的にしているのかを理解する大切さを教わった。形は綺麗で整えてもそれを何年しても変わらない。心と身体を一体にしないと意味がない。そして、真実に対する感覚を育てるのは自分自身である。その動きをして中身は動きの目的を果たしているのか自分に聞いている。それができていないならできるまでやり続ける。


また、また、俳優の肉体訓練の4つのクオリティーの形を全て教わった。どれも全く異なる動きで目的も違う。まずは、形から入って意味を理解して自分で訓練する。この繰り返しだと思っている。4つのクオリティーに共通して言えるのは、無理して感情としたり、結果を急いだりしないことである。ゆっくり時間を取り皮膚感覚で理解し身体で覚えようと思っている。

長期合宿クラス レポート 4月7日

ゼン・ヒラノ先生、ミユキ先生の今日の教え


今日は社交についてゼン先生から学んだ。


俳優は社会的訓練が必要である。挨拶や姿勢、態度といったあらゆることが要求される。
人に良い印象を与え、場を明るくすること。様々な面で気を遣い、全神経を周りに注ぐ。わざとらしく媚びている態度ではない。みんなにきづかれないようにそっと行う。トップクラスの俳優はいつだって、それができているといわれる。結果的にそうすることで自分のキャリアを築いてゆくことになる。
 

僕は明日からアルバイトが始まる。アルバイトは俳優訓練になる。毎日、5分前に仕事に取り掛かれる状態にする。信頼を得るために早く着きすぎてもいけない。時間を守ることで、周りのメンバーの信頼を得ることができる。また、お客様の反応をよく観察する。自分が笑顔で感謝するとどういう反応するのか、そして、できるだけ早く正確に仕事をする。俳優はスピードを要求される仕事だ。あらゆる面で早く正確にできなければならない。アルバイトは俳優として自分を高める良い訓練になる。

このようなことから、俳優訓練は人間訓練であるとゼン先生が言う理由がわかる。常日頃私たちの生活の中にどれだけ多くの俳優として必要な能力を訓練する機会があるのだろうか。私は毎日ゼン先生やミユキ先生にこのようなことを教わっている。他に言ってくれる人がいるだろうか。東京の俳優養成所に通ってもおそらくセリフをこうしろやもっと感情を込めろなんて話にならないことを教わるだろう。セリフは最後の最後で良い。私がすぐに東京に上京しなかった理由は本当の演技力を身に付けたいからである。誰だってすぐに結果を求めて急ぐだろう。だが、結局は実力社会である。最後に生き残るのは実力がある人のみ。だから、私は実力を十分につけてから勝負したいと思って合宿に参加した。そして、ここには本物の実力をつけることができる素晴らしい講師が2人もいる。特に地方の人にオススメしたい。地方出身者はすぐに東京に行きがちだ。河口湖で演技力とは何かを認識を高め 東京に行った方が絶対に自分の将来に役に立つ。これは絶対だ。私はまだ河口湖に来てから7日しか経ってないが、既に別人になっていると自分で実感するほど成長している。まだまだ私は成長する。若者の人生はこれからである。焦ってもすぐに結果は出ない。あなたの望むものがここにはあると確信する。

長期合宿クラス レポート 4月5日

ゼン・ヒラノ先生、
ミユキ先生の今日の教え


 「セリフは覚えて忘れろ!!」
今日はこんな矛盾している言葉を聞いた。せっかく一生懸命覚えたのに忘れたら意味ないじゃん!! 誰しもがそう思うだろう。この言葉の伝えたいことはセリフは人間の言葉ではなく、書かれた言葉だと認識すること。覚えて次のセリフを頭の中で考えているから役を生きられないということだ。現実で話し相手の言葉を予測して次に自分の言葉を考える人はいない。なら、どうすればいいのか。それは相手のセリフで瞬時に次の自分のセリフを思い出す。役に入り込まないと観客に伝わないのだ。そのために訓練する。
「俳優はエンターテイナーである。人々を喜ばせる仕事」
この言葉はまさに全俳優の教訓である。たとえ名優になっても変わらない。むしろ、名優こそ人々を喜ばせている。 演技力をつけるのはとても大変なこと。何十年もかかる。今の私には若さしかない。その若さを活かしてなんでもやり、人を喜ばせる精神が大切なのだ。自分と会った人を喜ばせることに全力を尽くす。嘘ではなく、相手の良いところを見つけて褒める。これを実行するのも大変だ。常に意識してその精神を持つことが重要である。やるだけやったら必ず人生の役に立つ。
夜の訓練では、ミユキ先生から様々なお話をしていただいた。
「人間であることは素晴らしい」
この言葉は全世界の人々の価値観をひっくり返す力がある。自分が存在して何の問題もなく、生活していることがどれだけ素晴らしいことであるかを学んだ。他人と比べて自分を卑下したり気にしたりすることが人間なら誰しもある。だが、世の中に良い悪いはない。それは一人一人が勝手に決めつけているだけである。だから、本来人間は比べることはできないし、何も出来ない持ってないと思ってもそこに存在しているだけで凄いこと。だから、今のままの自分で良いということ。自分の価値を量で計ることは出来ない。
また、俳優としては観客が1番であるということ。俳優は観客がいないと意味がない。顔が綺麗な人は顔で観客を喜ばせればいい。芸人なら芸で観客を喜ばせればいい。俳優は演技で客を喜ばせなければいけない。演技力がないなら裸になって踊って逆立ちすればいい。そうすると観客は喜ぶだろう。そうすることで自分も嬉しいし、観客も嬉しくなり素敵な時間になる。
ミユキ先生の女優としてだけでなく、人として大切にしていることがわかった稽古だった。