2017年5月21日日曜日

第23回『神との対話』 のすすめ

≪抑圧された感情の解放について≫
感情は、人間が天から与えられた至宝の贈り物で有る。
親が我が子にそそぐ無条件の愛、恋人同士が生きることの歓びを分かち合う愛、踊ったり、歌ったり、花を摘んだり、ペットを抱きしめたり、大好きなアイスクリームを舐めたり、テレビを観て涙を流したり、友達に会うために、ちょとしたお菓子を買ったり等々。
感情は、限りなく我々に生きる歓びを与えてくれる。
勿論、悲しみの感情もある。
悲しみがあるから、喜びを知り、寒さがあるから、暖かさ知る。
喜びと悲しみの落差があるからこそ、泣いて笑って喜んで、人生がカラフルになる。
しかし、問題はこれらの天から与えられた感情を抑圧(身体の中に抑え込む)してきたことだ。
例えば、悲しみの感情 。
肉親を失うとか、恋人との別れ、ペットが息絶えて動かなくなったとか、入学試験に不合格、なけなしのお金が入った財布を落としたとか、未払いで電気を止められたとか、買ったばかりの新調のドレスを汚してしまったとか、思い出のカップを割ってしまうとか。
これらの悲しみの感情を理由をつけて押さえ込んでしまう。
『神との対話』の本に書かれてある悲しみの感情の抑圧についてを要約すると、
【人は何かを失う体験をしたとき、自分の中の悲しみを表す。
(外に向かって押し出す。)
「悲しいときには悲しんでいいんだよ。」と言われて育った子供は、大人になったとき、悲しみは健全だと思える。だから、とても早く悲しみから抜け出せる。
「こらこら、泣いてはいけません。」と言われた子供は、大人になって泣きたいとき、苦しい思いをする。
だって、泣くなと言われて育ったのだからね。
だから、悲しみを抑圧する。
抑圧され続けた悲しみは、慢性的な鬱になる。
非常に不自然な感情だ。
人びとは、慢性的な鬱のために人殺しをしてきた。戦争が勃発し、国が滅んだ。】
と書いてある。
それでは、永年にわたり身体に溜め込んだ、この抑圧された感情をどうやったら外の明るみに引き摺り出す事が出来るのか?
平野みゆきと共に、この抑圧された感情の解放の問題を解決する為に、二人で三十年間にわたって研究を続け、 テストを繰り返し実践してきた。
殆どの人が感情を抑え込むために、生き生きさ、自分らしさを失ってきた。
感情を解放することによって、(実際に身体を動かし、筋肉を緩め、声をあげて吐き出す)その結果、生命力がよみがえり、躍動感、明るさ、軽やかさを、その人、本来の姿を表すようになる。
感情の抑圧の過程ついて、具体的な例を挙げると、
泣いている子供に、泣くな!
と命令すると子供は、歯をくいしばったり、首に力を入れ、肩を固めて感情を抑え込むようにする。
つまり、それぞれが、体のそれぞれの部分(筋肉)を緊張させることによって感情をおさえる。
(以前、あるパーティーで、一人の男性が飲んで酒乱になった。5、6人の男たちがかかって抑えつけるのが精一杯。アルコールによって筋肉が緩み、押さえ込まれてきた感情が爆発したのだ。普段は人一倍、優しく物分りの良い男性だと思われていたのに。)
感情は、常に外の世界に向かって表現を求める。
それが自然だ。
しかし、

泣くな! 怒るな! 欲しがるな! オドオドするな! そんなに嬉しそうな顔を見せるな!と云われて育った子供は、この人間に与えられた、自然な感情(悲しみ、怒り、羨望、不安、愛 )を身体の何処かに溜め込んで大人になる。
押さえ込まれた感情は、常に不安を呼び寄せる。
心身を傷つけ人生を蝕む。
(アーサー・ ヤノフは、言っている。「人間の死亡の第一原因は、癌でも、心臓発作でもなく、抑圧された感情だ」と。)
(押さえ込まれた感情の解放の具体的な方法は、次週に。)
ZEN