首には生命維持のための、非常に重要な器官が詰まっていて、意識的にも無意識的にも、常に緊張しやすい。
 意識的に前後左右、緩めることを意識して、右回転、左回転させて緩め、椅子の背もたれの外(後)に首を落とし、夜汽車に乗って旅をして、眠りにつく様に仕向けてみる。
 首のリラックスに注意して眠りにつく寸前まで、自分を追い込んでいく。
 しばらく、数分その状態をつづけて、ユックリと首を起こし目を開け 、辺りを見回してみると、不思議な現実感を体験する。
 自分の周りが、部屋が、静かに存在し、自分自身も、何のワダカリもなく、静かに、無時間の世界に存在している様な体験を実感する。
 日常生活でわれわれは、不安や先を急ぐために、自分自身を見失うのかもしれない。
 瞑想するとリラックスするだろうが、われわれ俳優は、座ったり、立ったり動いたり、相手役と交流したりしなければならない。
 これらの行動に、もちろんエネルギーが必要だ。
 必要以上のエネルギーを使うことを緊張という。
 俳優は常にリラックスを心がけ、自分の緊張に気づき、気づいたら、緩めと脳で命令を出し緩められる様訓練する必要がある。
 文章で、リラックスを説明すると回りくどくなるが、実際に体験してみると、体でリラックスを実感できる様になる。
 要は、人前に立った場合、自分の緊張に敏感に気づき、脳で「緩めと」と命令をして緩められる様、訓練する以外に方法はない。
 何回も、何回も人前に立ち、慣れでリラックスするにはあまりにも時間がかかりすぎる。
 身体の緊張を、心理的な緊張を取り去る方法を文章で説明するのは難しい。
 実際に、本人を椅子に座らせて、体に触れ、身体のどの部分が緊張にしているかを、本人に気づかせ、緊張を取る方法をガイドして、自分で自分の緊張を取れる様指導する。
 僕が、なぜ、こうまでも、リラックスにこだわるかというと、リラックスは、集中力を高めるからである。
 リラックスと集中力は、想像の世界に、入り込む鍵だ。
 いかにも信じたふりをするお芝居をやめて、想像の世界に浸りこむ訓練をしよう。
 ゴードン・クレイグが言っている。
「俳優になりたいと言う要求は、想像の世界に生きたいと言う要求であり、高く舞い上がりたいと言う要求だ!」と。
 正しく訓練して真のリラックスを手に入れよう。
 ZEN
 注!)
リラックスについて述べてきたが、実際には、訓練として10分から15分あればいい。
リラックスについて述べてきたが、実際には、訓練として10分から15分あればいい。
まず、自分の緊張に気づくことだ。
自分のからだの何処に緊張があるか気づき、取り除く能力を手に入れること。
本番や、オーディションの前に、5分間のリラックスで充分。是非やってほしい。
 NY ザ アクターズ・スタジオ
正会員
ZEN HIRANO
正会員
ZEN HIRANO

