2017年3月5日日曜日

第十二回 『神との対話』のすすめ

「人生は創造だ」と書かれている。

ある人は、自分の在りたい姿を求めて、自分の自由意志で、自分の思考・行動をフルに活用して夢の実現に向けひた走る。(多くの人は、行き当りばったりの生活をしているが。)
例えば、四年後のオリンピックで、全ての選手は金メダルを目指す。
そのため、各選手は自分の全て、時間、意思、身体を使って金メダルという目的に向かって過酷なスケジュールをこなし、突き進んでいく。
ザ・アクターズ スタジオの話になるが、メンバーになるため、最終試験に到達するのには何年もかかる。アル・パッチノーやデ・ニーロもその一人だ。
彼らは試験に失敗するたびに俳優としての技量、意志の力、認識を高めていった。
ストラスバーグという天才的な教師に教えを請うために。
(スタジオは良い演技を見せるところではない。自分の抱えている困難な問題を解決するためにある。)
今から、30年以上も前になるが、メンバーになったアル・パチーノが、まだ無名なときに、スタジオのステージに出てきて、シェークスピアの戯曲の一場面を成立させる為、丸テーブルにローソクを一本立てて火を灯し、その上に手の平をかざし続けて30分間なにも喋らないで、ステージを降りた。
次の週も、その次の週も同じことを繰り返していた。
メンバーたちは呆れかえって、
「アルはおかしい」「何かやったらどうなんだ」
と言っていた。
その後、アルはブロードウェイで主役を得て、毎晩奇跡的な演技を披露した。
あの時彼は、スタジオで自分の金メダルを目指していたのだったと思う。
また、デ・ニーロは映画『レイジング ブル』で役作りのために、27キロ減量したり、太ったりしたとい言われる。命がけだ。
彼も人知れず、自分の金メダルを目指したのだろう。
これまで、世間の話題になっている人物を上げたが、私達の周りに自分の金メダルを手にした人は大勢いる。
先日TVのドキュメンタリー番組で観たのだが、ニューヨークに住むバードウオッチゃー。
毎日セントラル・パークに出かけて、生活のため僅かなお金を貰ってガイドを務めている痩せ細った老女がいる。この何十年、毎日パークに出かけて鳥に出逢うのが、人生最高の悦び、鳥たちの姿、カタチ、色合い、動きに心をとらわれて、息をひそめ、生命の躍動を見つめている彼女の姿は、畏敬の念さえ起こさせる。彼女は末期癌。
今日の、この鳥との出逢いが、自分の人生の最後の鳥になるかもしれないと言っていた。
彼女は人生のメダルを手にしたと思う。
彼女がこの世を離れる時、今まで出会った全ての鳥たちに囲まれて、喜びあふれて昇天していくのだと信じている。

僕の周りにもメダルに値する人は何人かいる。
以前にも紹介させて頂いたが、84歳のOさん。微笑みを浮かべながら、重いリックを背負い松葉杖をついて人助けのために夜行バスに乗る。
又、玄米食を持って、ここの家が大好きだと言って殆ど毎日のように掃除をしにやってくるKさん。(彼女によると、掃除は磨きあげることだとのこと)
不用だと思うものをかたっぱしから棄てていく。
理由を聞くと心の風通しを良くする為だと云う。
トイレを手で洗うのには、驚いた。
僕のワイフみゆきも影響されてゴシゴシとやり始めた。
確かに、この家に静かで澄んだ空気が漂ってきた。
この人達にメダルをあげたいと思ったが、そんなもの処分した方がいいと云うだろう。
ZEN
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