何回も同じことを書くことになるが、良い俳優の特筆は何だろう?と考えてみる。
まず、第一にリラックスと集中力が良いこと。
幼い子供ををみるといい。
我々のように明日何をしようかなどと考えない。
泣いたり、笑ったり、怒ったり、喜怒哀楽を瞬時に表す。
泣いたり、笑ったり、怒ったり、喜怒哀楽を瞬時に表す。
人間は成長するにつれて、社会に順応するために考えや、感情にブレーキをかける。
悪い俳優は感じたことを表せないので、大げさな演技をして感じたフリをする。
感じたことが、感じたままに表れるように訓練する必要がある。
ピアノやヴァイオリンが、正確な音を出す為に調律が必要なように、俳優も感じたことや、考えたことが在るがままに表れるように調律する必要がある。
多くの俳優は感じた事が在るがままに表れないのでお芝居をする。
考えや感じた事が、子供のように現われるようにする為にリラックスを習得する必要がある。
(俳優訓練は、子供になる訓練だとも云われる。)
但し、俳優が表現の為に使う楽器は、俳優自身の精神と、この肉体を持つ生きた楽器だ。
本当に考えたこと、感じたことを表現しようとすると、そんな馬鹿な、危険だと自動的にブレーキがかかる。
ブレーキペタルから足を離す、それがリラックスの訓練だ。
酔った人を観ると、本人が何を考え、何を感じているかよく分かることがある。
そこで、舞台に上がる前に一杯飲めば良い。
ほとんど間違いなく良い演技をする。
(しかし、二週めには、二杯飲まなければ効かなくなる。アル中の道を歩く事になる。又、ブレーキをかける訓練をする必要は無い。社会で長年訓練したので、かけたい時はいつでもかけられる。)
俳優訓練で、俳優がまず、手を付けるべきは、リラックスの訓練だ。
人は、他人の視線を感じると緊張する。
ましてや、俳優は、人の前に立つ。
観客の視線を一斉に浴びた時に自分自身にリラックスしろと命令して、心身共にリラックス出来る様にするのが、リラックスの訓練だ。
(訓練の具体的方法を文字にするのは非常に難しい。実際にやってみれば、なるほど、そうゆう事かと納得する事が多い。)
リラックスがいいと、考えや感情が眼に表れる。
最近見た映画「キャロル」の二人の女優の眼をみてほしい。
ZEN