~第7話~
ゼン・ヒラノ
ストラスバーグが個人のクラスを開いていたので、すぐに申し込んだ。
どうゆう訳か、
俳優の基本訓練に異常な興味を感じた。
俳優の基本訓練に異常な興味を感じた。
それが何十年 にも、絶えることなく続いている。
確か、受講希望者が多く、僕は、特別に早く入れてもらったことを覚えている。
クラスでは、センソリーウォーク(五感の訓練)に出たくてウズウズしてが、3.4週間待たされた。
やっと、「ゼン」と名前を呼ばれるやいなや床に転げまわり(普通は椅子にゆったりと座り、リラックスの訓練をする)今まで無意識に溜め込んだ感情を全て解き放した。
5分か10分、時間は覚えていないが、床に横たわって目を開けると、ストラスバーグが、椅子に腰掛けて、医者が患者を見るような目つきで考え深げに
「それも良いだろう。」
と一言、言ったのを記憶している。
「それも良いだろう。」
と一言、言ったのを記憶している。
僕は、非常に感情が強いとスタジオでストラスバーグに何回か指摘されている。
多分
アル・パチーノやデ・ニーロよりも強いと思っている。
アル・パチーノやデ・ニーロよりも強いと思っている。
話は逸れるが、或る日、ストラスバーグの個人のクラスで、一人の生徒が席を立ち、猛然と食ってかかって大声で叫んで、ストラスバーグを罵倒していた。
ストラスバーグも負けずにやり返しクラスは騒然とした。
僕は、静かに立ち上がった。
するとストラスバーグが、
「ZEN ! Don't do it!! Don't it!」
と叫んだ。
「ZEN ! Don't do it!! Don't it!」
と叫んだ。
女の子達は泣き出し、クラスは騒然とし、パニック状態になった。
ストラスバーグを初め、みんなは、僕が彼を殴り倒すのだと思ったらしい。
僕は、彼にただ、教室から出て言って欲しいと思っただけだ。
椅子にかけてあった彼のジャケットを渡し、静かに一言、出て言って欲しいと伝えた。
彼は僕を見て、震えていたのを思い出す。
何時も優しく、温和で、人当たりが良い僕が、舞台に上がると豹変するらしい。
以前、
舞台で、10人程のメンバー達に囲まれて、戯曲に従い、一瞬怒りの感情を解き放つと、一人残らず舞台から消えてしまった。
舞台で、10人程のメンバー達に囲まれて、戯曲に従い、一瞬怒りの感情を解き放つと、一人残らず舞台から消えてしまった。
何回繰り返しても同じことが起こる。
ストラスバーグに何回も、ぼくの感情の強さを指摘された。
(俳優が、命なんか要らないや。相手の額を割ったら、赤い血が流れて綺麗だろうなと、思わなかったら相手は動かない。)
・文章は長くならないようにとクギを刺されているのでこの辺で。
ZEN