第1回
ザ・アクターズ スタジオ正会員
ゼン・ヒラノ
NO 、1
リラックス
今回の合宿クラスのみならず、先ず、俳優達がまず、習得すべき課題はリラックスだ。
スタニスラフスキーは、言っている。
「彼が観察する機会に恵まれた名優達全部が持っていたひとつの長所は、動きの異常な自由さ、驚くべき単純さとしなやかさで、身体をコントロールしうる能力だった。
まるで観客の前で演じているのではなくて、自分の生活環境で暮らしているように思えた」
と。
まるで観客の前で演じているのではなくて、自分の生活環境で暮らしているように思えた」
と。
演技を志ざす俳優達がまず、習得すべきことは、人前でのラックスだ。
それには、自分の体のどの部分が緊張しているかに気づくこと。
椅子に座って自分の体重を全て預け、体を大の字に広げ、だらしなくズラし、無防備に開けっぴろげにし、体のどの部分に緊張があるかを探す。
その部分に注意を集中して、緩まるようにゆっくりと動かして、緊張を消滅させる。
リラックスしたかどうかを常にチェックする。
そして次の箇所に移る。
その間、何かの衝動を感じたら、叫んだり、怒鳴ったりしないで、胸からバイブレーションを入れて、楽でコントロールされた平均的な声を外に出す。
どんなに強い感情を持ったにしてもセリフを言えるようにするために。
胸からの声は感情が伝わりやすい。
抑圧された感情も含めて、自分の体から全ての緊張を声を出して吐き出すのが目的。
これらの体を緩めるための訓練は、深い集中力が必要だ。
注意の集中力が強まればより深いリラックスが生まれ、そのリラックスがより深い集中力を引き寄せる。
普通、人前で緊張に気付いてもリラックスできない。
このリラックスの訓練は、人前で緊張に気づいたら、脳でリラックスしろと命令して体が緩むように訓練し、習慣づける。
人前で体操するわけにはいかないから。
スタニスラフスキーは言っている。
「研修生がまずマスターしなければならないのは、全く自由でそこなわれない舞台での動き ー すなわち緊張のない動き」
であると。
であると。
たとえ、どんな職業に於いても、名人と言われる人は集中力とリラックスがいい。
今回の合宿クラスでは、徹底してリラックスの正しいアプローチをガイドし、自分自身で自分を訓練し、人前で自分らしく、フリーでいられるよう生徒を導きたいと思っている。
世界のトップクラスの俳優たちは、例外なくリラックスがいい。
リラックスがよくなると、集中力が高まる。
ストラスバーグは、
「リラックスとは何かを知りたかったら、緊張とは何かを問えばいい」
と言っていた。
「リラックスとは何かを知りたかったら、緊張とは何かを問えばいい」
と言っていた。
「緊張とは不必要な力だ。不必要なものは不必要だと。」
ZEN