2018年8月26日日曜日

第20回 メソード演技訓練の実際



訓練
センソリーヲーク
五感の記憶
番外編

俳優訓練は、人間訓練だと強く感じています。

各自が永年、無意識に溜め込んだ否定的な感情を、身体を意識的に大きく動かし、リラックスさせることによって、身にこびりついた否定的な感情を大きな声と共に外界に解き放つ事が大切です。

人は、リラックスすると、その人らしさの姿を現します。

意識的にリラックスする事によって、常に自分自身に不満で、否定的な態度を取っていた人が、在るが儘の自分自身を受け入れ、自分とともに居ることに、安心感と充足感を感じる様になります。

本人が自分の身体のどの部分が緊張して居るのか気づかない事が多いと思います。

教師の仕事は、生徒自身の身体のどの部分が緊張しているのか、本人に気づきを与え、自分の身体を自分の努力でリラックスさせる能力を身につける様指導する事です。

又、リラックスができても、表現に繋がらないこともあります。

その時は、リラックスして何かを感じたら、即、声にして外に吐き出す様にガイドします。

この様なリラックスの訓練によって、本来のその人らしさが現れます。

自分とともに居る事が出来る様になり、自分との一体感を感じる様になります。

自分らしくいる、在るが儘の自分として立ち振る舞う。

自分を明るみに立たせる。

このリラックスを習得することは、俳優のみならず、全ての人にとって必要不可欠な事と確信しています。

自分の体は、自分でしか緩める事が出来ません。

リラックスを修得して、人生の日の当たる路を歩いて行きましょう。

今、合宿に通う男性は、合宿の面接で初めて会った時、表情も、体も、声もカチカチで大丈夫かなと心配したほどでした。

たった2,3回の訓練で今は明るく、他人の面倒見が良く、率先して僕の仕事まで喜んで手伝ってくれています。

ただ、リラックスしただけだと言うのに。


ZEN