2018年10月17日水曜日

俳優を志す人々へ


ザ アクターズ・スタジオ正会員 
ゼン・ヒラノ


どんな分野でも、トップを目指すには、才能と努力がいる。

才能があっても努力がなければ、役に立たないし、
努力があっても才能がなければ役に立たない。

では、俳優の才能とはなんだろう?  

それは想像力だ。

想像されたものを信ずる能力だ。

相手役を恋人だと信じて胸がときめく。
全てを失って生活に追い込められ絶望し、自殺をこころみる等々。

この想像の世界に完全に入り込んでも百分の一の意識があれば舞台から落っこたり、病院に行くことはないと言われる。


Acting is believing と言われる。
信じれば見えてくる。

神様にどうか信じられるようになりますとお願いしてもなかなか叶えられない。

天は自らを助けるものを助けると言われるから。


観客が一杯の客席を前にして、森の奥深く煌々とした月の光を浴びて、この世を去った愛する人に想いを馳せることができるだろうか?


信じやすい人がいる。

信じた事が非常に表れやすい人がいる。

人々はそれを才能と言う。


才能は何処からやって来るのだろう。

天からやって来る。

しかし、才能があっても努力がなければ使いものにならない。


観客を感動される演技は何処からくるのだろう。


これは僕個人の考えだが、生徒を見ていると、
多くの場合、本人は意識していないが、
多くの場合、幼少期に受けた苦しい想いを、手放したい、失われた愛を取り戻し表現したい等の欲求から来るのだと確信させられる。

そして、その想いが、
苦しみから解放されたい、本来の自分を表現したい、
俳優になりたいとゆう要求に繋がるのだと思う。

(感情の解放の訓練によって実感させられる。)


俳優は認識と共に成長すると言われる。

役の感情はどこからやって来るのかと云う認識だ。

個々の俳優自身が、自分自身の胸の奥に秘められた深い想いを、そして、自分自身の抑圧された感情の解放のために、それを使って、役の感情を表現し、観客の深い感動を呼び起こすために、解放すべきだと思っているのだと。


演技は感情の世界だと言われる。

まずは秘められた個々の抑圧された感情を解放し、自分自身の目の前に置いてみよう。

(役の感情など何処にも落ちていない。自分の感情を使うしか方法は見つからない。要するに役が要求する感情は、あなたのからだの何処かに潜んでいる。記憶された感情を使うしかない。)

正しい俳優訓練は、自分自身の理解で有り、人間理解であると思っている。


ZEN