2018年10月17日水曜日

俳優を志す人々へ ~表現力について~



ザ アクターズ・スタジオ正会員
 ゼン・ヒラノ

~表現力について~


心に何が起きたか、非常に表れやすい人がいる。

一番素晴らしいのは子供達だ。

泣いたり、笑ったり、怒ったり、感じた事が、瞬時に表情に現れる。

(俳優訓練は子供になる訓練だともいわれる。)

リアリティー(実感していること)が、8あっても、3しか出せない俳優がいたとしたら、実感している事が5しかないのに、5出せるとしたら後者の俳優が評価される。


俳優は表現力を強化することを要求される。


多分一番分かりやすい例は、酔った人たちだ。

酔うと顔や身体の筋肉が緩む。いつものブレーキが働かず、考えたり、感じた事があるがままに表れやすい。

つまり、心身がリラックスし、いつものブレーキが効かなくなる。

1杯引っ掛けると必ず、いい演技をすると言われる。

しかし、問題は二週間目には2杯 飲まなければ効かなくなる。俳優にアル中の人が多い。


ある俳優は考えた事、感じた事が非常に表れやすい。

そして、それらの感情は眼に表れる。


歴史的に見て女性の方が多い。

アカデミー賞候補に上がる多くの女優たちは、この眼の表現力に恵まれている。

トップクラスの女性の映画を彼女達のまなざしを、眼の表現力を繰り返し見て欲しい。

三流の俳優達は、やたらに表情を大げさに造ったり、声を張り上げたりして表現しようとする、想像の世界で 真実の恋を経験していないし、観客に伝わらないのではないかと、大げさな振る舞いをする。

(眼は魂の窓だといわれる。)

深い感情は眼に表れるが、それを 、邪魔しているのは、社会で本当に感じた事を表さないようにする習慣にある。


俳優として訓練することは、胸の想いが、何処にも邪魔されないで眼に流れ込むようにすることだ。

身体のあらゆる部分をリラックスさせる。

肩、胸 、首、顎、腰(強い感情は腰で止める事が多い)等々。


トップクラスの俳優達は、リラックスがいい。

リラックスがいい人は集中力がいい。

我々はこれらの俳優達に追いつくために、リラックスを集中力そのものを訓練をする。


才能があっても努力が無ければものにならないし、
努力があっても才能がなければものにならないといわれる。


僕自身の考えは 、たとえ才能が見つからなくとも 、一つのものを求めての並々ならぬ投げかけての努力は 、例え貴方が、俳優にならなくとも、この人生を堂々と生きていく力を身につけると確信している。


ZEN