2018年7月1日日曜日

第9回 ザ・メソードアクティングの実際


精神のリラックス
3)首回り

首の重さは4、5キロあると言う。

首は、毎日その重さを支え非常に繊細な動きをし、又、脳と身体の伝達機関であり、呼吸、血液、食道等人間の生命維持に重要な役割を果たしている。

よって首は、何時も緊張状態にあると思う。

椅子に座って、居眠りをしている人を見ると首をがっくりと落としてんている。

と言うことは首は日中、生命活動を支えるためにこの首 にエネルギーを送り続けているのだろう。

具体的訓練方法は、椅子に腰掛け、左右振り向いたり、前後にズラしたりら力を抜きながら大きく回して、椅子の背もたれの背後に首を落とし、より深く力が抜けるよう見守ってみよう。

この緊張しやすい首を緩めると、何が起こるか見てみるといい。

通常の生活で、このレベルでリラックスを体験することはないので、ある人は笑い出したり、泣き出したり、恐怖心に襲われてパニック状態になったりする事もある。

首のみならず、これらの身体に長い間溜め込んだ抑圧された感情を解放できるのも、リラックス訓練の大きなアドバンテージだと思っている。

多くの人達は、自分の身体に習慣的に不必要な緊張をかかえて、それと気が付かずに日々の生活を送っている。

その人が、その人らしさを表すには、過去から持ち続けた緊張も含めて、身体に住み着いているあらゆる緊張を吐き出す(掃きだす)ことだと思う。

俳優のみならず、
全ての人、
全ての人間活動にとって最重要課題だと思っている。

改めてリラックスとは何か?  

不必要な力が入らないことだ。

誰もがリラックスしたい。

普通リラックスしたいと思えば、
一杯飲むとか、お風呂に入るとか、マッサージをして貰うとか考える。

人は他人の視線を感じると緊張する。

又は、困難な状況に置かれた時緊張する。

緊張は思考、精神、肉体のノーマルな活動を阻害する。

ボクシングで殴りあっている時、100メートルを10秒切ろうという時に解説者が、
「今日はリラックスがいいですねー」
と言う。

このような緊張する場面で、リラックスを必要とする。

ましてや俳優は人の視線を浴び、
またカメラを向けられる。

このような緊張を強いられる場面で、リラックスを要求される。

我々は慣れでなく訓練によって自分の意志でリラックスを獲得しようと努める。

とりとめた才能が見られないのに、なかなかいい演技をするなと思える俳優はリラックスがいいだけの事が多い。

まず、自分の緊張に気ずくこと。 

身体のどの部分が緊張しているか気づく事、
その部分にリラックスしろと命令して、
体を動かさないでリラックス出来るようにするのがリラックスの訓練である。

心身共にリラックスのを獲得出来るこの簡単なアプローチを是非、一般の人々に、知って欲しいと切に願っている。

長い間気付かずに背負って来た重荷を手放そう。


ZEN