2018年3月18日日曜日

ゼンゼミ体験談


ヨーコ
 

ゼミに初めて出会ったのは、24才の時でした。

シュウサクの知り合いに誘われて、オープンハウスに行きました。
 
その時の最初の感想は『気持ち悪い』でした。

でも、それは、頭・・・
心は、実は感動していたのです。

背中がずーっとぞくぞくしっぱなしで、でも泣く事もなく(泣く事さえもできない程、心が固まっていたのでしょう)
ゼミ生達のエクササイズでの、生の感情というものに生まれて初めて触れてショックが大き過ぎたのでしょう。
 
そんな訳で私はゼミに通う事を決心するまで半年くらいかかりました。

心の声に従うまで、そんなに時間がかかるんですね。
 
通い始めてゼン先生に触れたとたんに即、ハマりました(笑)
 
初めてのシーン実習の時の事です。
 
知り合いの家に行ってケンカをするシーンでした。
 
私はご多聞にもれず、ケンカをしに、怒って相手の部屋に行きました。

相手の部屋をノックしたとたん、ゼン先生に
「ちょっと待ちなさい。その部屋、ホントにその人の部屋? 確認した? 知らない人だったらどーすんの?名札見た? ドアは見た?」

「??? 見てません、確認してません。」

「OK、今日はわかればいい。続けなさい。」

確認してドアを開けて相手の部屋で突然私は暴れ始めました。

ー今思うと、気狂い沙汰ですね(笑)もちろん、ゼン先生に止められます
「OK、ちょっと待って。あんた、今ほんとに怒ってる?」

「??? あー、怒ってません。」

「OK、わかればいい。」
 
衝撃でした。
 
役の人生を生きるどころか、見る、聞く、話す、さえもできない自分は、というか知らなかった私は、海を漕いでウサギを採りに行っていたのです。
まさにその日から、山にウサギを採りに行く修行が始まりました。
 
エクササイズでも、ホントにたくさんの事を教えて頂きました。

今振り返るとゼン先生は、常に私達の事を
「あんた達はアクター! やるか、やらないか!」
と、アクター扱いして下さいました。
 
実際のところまだアクターになんかなれてなくて、ホントにアクターになる為、真の自分に出会う為に精魂込めて向きあっていただいていた事に気付きます。
 
私が最初に救われた
「あんた、そんなにいい人じゃないでしょ?」
の一言。

この一言は、アタシでいていいんだ!と本当に救われた一言でした。
 
「嫉妬した事ありません」
と言った私に
「そんなはずない」
と、エクササイズでとことん付き合っていただき、私が自分でも気づかない程の心の底の底を開けて見せていただいた事。

「エクササイズを毎日やる事が出来ません」
と泣きながらゼンさんに訴えると
「いいよ。そんなにやりたくないなら、あんた特別にやらなくていい。レポートを提出しなくていい」
と荒療治をしてくれた事。
 
ゼン先生は覚えてないでしょう・・・たぶん、そんな事言わせたのは後にも先にも私ぐらいでしょうね。
次週から、しっかりレポートを提出するようになりました(笑)
 
ただのワガママだったんですね(汗)
 
そして、エクササイズでセクシャルオープンをさせて頂いた事。
これは、外すわけには行きません。

心から感謝している事の大きなひとつです。

そこに果敢に立ち向かいセクシャルオープンをやらせてくれる教師が、ゼン先生の他にどこにいるでしょう。

正しい認識のもと、そこを経験させて頂いた事に、私は深い感謝と尊敬と、ゼン先生に出会えた自分の幸運を心から感謝しています。
 
そして、ミユキ先生と何本もシーン実習をやらせて頂けた事、公演に参加させて頂けた事。

それも私の中の貴重で重要な体験です。
 
今、日々の訓練を重ねながら、その時の未熟さに気づくと共に、その未熟な私にとことん付き合ってくれたミユキ先生に感謝してやみません。
 
セリフ、と台本に書いてある事を成立させようと必死な私に、その役の生活を流しながら、台本にはない言葉で、その役、そのもので、私に話しかけてくれたミユキ先生。

その役として生きて、生活しているミユキ先生に必死でついていくのはそれはそれは大変で、足りないところにどんどん気づいて、それでも自分の役と新たに出会っていく、とてもとても楽しい時間でした。
 
河口湖での公演で『葉桜』の娘役をやらせて頂いた時、もう一人のヨーコと本番前、ドキドキしながら台本を読んでいると、ゼン先生が楽屋にいらして、

「台本なんて、今更読まなくていい。ただやりなさい。大丈夫!」

「えーっ⁉︎
と、変に安心した瞬間でした。
 
ここ2・3年、エクササイズをする時の私の課題は「外へ外へ」そして「魂の声を聞きたい」でした。

魂の声ってどんな声だろう。私の本当の声ってどんな声だろう。

自分の中にある、愛と不安。
今、この瞬間、自分の中にある本心。
本当の心って何だろう。
何が起こっているんだろう。
ゆるめながら、くずしながら、顔も身体もぐちゃぐちゃにして・・・。
 
11月の始めでした。

リラックスしている時、胸がムカムカして、気持ち悪くて、何かが詰まっているようで、チャンスだ!出せ!出せ!出せ‼︎
嫉妬心を見つけた時にはゼン先生が必死で、
「そう! 出しちゃいなさい! ついて行きなさい‼︎もっともっと!!」
と引きづり出してくれました。

今、ゼン先生が目の前にいないこの瞬間は自分でやるしかない!
GO!GO!GO‼︎‼︎
今まで聞いた事のない声が自分の中から聴こえてきました。

感動して、これだ!と思いました。
 
そして、ゼン先生始め、ヨシアキ、母、父、今一緒にいる仲間、今生きている事、演劇を続けられている事、訓練を続けられている事、宇宙に存在している全てに対し、感謝が怒涛のように湧いてきて涙が止まりませんでした。


安心感、幸福感、愛、感謝。
 
これを、是非お伝えしたかった。

 
もちろん、まだまだ私の中に何が隠れているのか、訓練は続きます。
 
「あんた達一人一人の人生が大事。
好きなら続けなさい。
やるかやらないか。」
 
私は、ゼン先生に出会えた事で本当の自分に出会うチャンスをいただきました。

そして本当に幸せな人生をいただきました。

まだまだ、道の途中です。

そして、もっと、もっと、たくさんの事を教えていただきました。

今、気づく事もたくさんあります。書ききれません^_^
 
do your best
jast do it
 
今、この瞬間の全てに感謝して。
 
愛を込めて
 
ゼン・ヒラノ様
 
ヨーコ