2017年4月9日日曜日

第17回『神との対話』のすすめ



僕の恩師リー・ストラスバーグが常に言っていた。
「不必要なものは不必要だ。」
地面に立っているだけなのに、顔をこわばらせたり、習慣的に腰を固めて脚を踏ん張ったり、肩を怒らせることは不必要だ。 
これらの不必要な緊張を意識的に取り除くと、心身ともにリラックスする出来る。
日常生活に於いても色々不必要な緊張を強いられる。
何々を手に入れる必要がある。
他人に好かれる必要がある。
ひとに優しくする必要がある。
品格を保つ必要ある。
成功する必要があると。
『神との対話』に
「必要としない。それは偉大なる自由だ。まず不安から自由になれる。自分には持てないものがあるという不安だ。それに、特定のものがなければ幸せになれないという不安だ。」
そこで、自分の周りにある不必要なものは何かと考えた。
考える前にKさん、Hさん、が来て
「これ要らないでしょ。これも要らないよね。」
と言って三階の窓を開け、 庭に向けて洋服ダンス、机等々片っ端から投げ捨てた。
ニューヨーク時代、少しお金があって購入したニットの天才ミッソーニの一点もの、世界的に名を知られた名人ノーマン ブロックの拵えた背広など。話はそれるが、義理の兄貴が日本の有名店のトップに頼んで、背広をプレゼントしてくれたことがある。店主は、生地はどうのこうの、色合いは、ボタンは何々を、撫で肩だから難しいとか、色々と注文をつけられた。しかし、ノーマンは、
「好きな生地を持ってこい。好きなスタイル、一つボタンでも百ボタンでもOK」
彼は僕のからだを念入りに触り始めて、タバコケースは胸に入れるか? 下半身を指してゼンはどっちに置くんだと聞かれた。全くなんのことだか解らなかったが、男性のシンボルを右に置くか左に置くかの話しだった。
出来上がった背広は素晴らしかった。名人の技を目の当たりにした。パーティーに行くと(僕はパーティーが苦手) 「ゼン、初めまして」と人々が寄ってくる。今まで、この背広自体を褒められたことは一度もない。背広は目立たない。この背広が、僕を高貴でエレガントな人間に変身させてくれたのだ。
名人とは何かを教わった。
あまり僕が感動したせいか、ノーマンが飲みに連れて行ってくれたり、ネクタイを何本もプレゼントしてくれた。
彼は、もう、金持ちの背広は作りたくないと言っていた。
日本に帰ってきた時に兄貴夫妻の家にこの背広を着て行った。
二人とも、殆ど口もきかずに二時間ほど、背広を舐めるように見ていた。
(二三百人の店員を抱える呉服屋の店主)兄貴は、早速ノーマンに会いにニューヨークに行ったが、店に駆けつけた時に、ノーマンは引退してもう居なかった。
話は元に戻って、毛皮のオーバーコート、デザイナーもの等々急いで隠した。
何百冊もある本(僕は、どうせ死ぬまでに神との対話しか読まないから)等々全て手放した。
ワイフ みゆきも
「有難うございました、お世話になりました。」
と手を合わせて、庭のカマドで不要になった品々を毎日のように燃やしている。
不必要なものを手放すと部屋の空気が澄んでくる。
心の風通しがよくなる。
掃除をするということが、僕自身、何か霊性に繋がる道だと感じ始めてる。
きょうも、Kさん、Hさんが朝やって来て、片づけ、掃除、引き出しの裏まで拭きとって夕方帰って行った。
この家の庭、建物の掃除を始めて8ヶ月になるが、これからまだ半年はかかるのだと思う。
神の存在が感じられる家、エンジェルが舞い降りる庭。
此処に訪れる人々が、意識せずに幸せを感じる場所になるような気がする。
そして、『神との対話』は、綿々と続く。
「必要としないと怒りからも自由になれる。
怒りとは、不安の表現だ。
不安に思うことが何もなければ、怒ることもない。
欲しいものが得られなくても あなたは怒らない。
なぜなら欲しいと言っても、絶対に必要だと云うわけでないからだ。
だから あなたは得られないないかもしれないという思いにつきものの不安を感じない。
従って、怒りもない・・・」
と。
この後、素晴らしい教えが延々と続く。
(神との対話第2巻第11章)
「不必要なものは不必要だ。」
ストラスバーグ
不必要なものを手放したいと思う人は、是非この本を読んで頂きたい。
ZEN
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