2019年1月14日月曜日

短期合宿クラス体験談


合宿レポート
AR

今回の合宿もまた、新たな発見ばかりの2日間だった。
今までの中で1番私の考えや価値観が変わったと言ってもいいくらい、なんというか、震度2くらいの地震が起こった感覚。ちょっとずつ自分の古い考えが壊れていく。
今までゼン先生やミユキ先生の言ってた意味も、頭でわかってただけだったんだと気づいた合宿でもあった。少し体で体感できた気がする。
ゼン先生言っていた白地にするの意味がようやく分かってきた。
こんなにも古い考えや価値観があったなんて知らなかった。ミユキ先生が言っていた当たり前が当たり前じゃない感覚を体感している。まだまだ、いやもっとあるはず。私はまだスタート地点にも立っていないことに気づいた。
本当は自分が何をしたいのかさえわからなくなるような感覚が生まれた。

もしかしたら演技を通して私は自分を探していたのかもしれない。。。

ゼン先生には全て見透かされている。
前回の合宿で指摘された警戒心。確かに私は小さい頃から警戒心が強かった。なぜなのか…

前回の合宿で、とにかく腰が硬いと言われ、最初は腰を動かす事に自分でもびっくりするくらい抵抗感があった。でも、1人の時はなんとか動かせたので、とにかく毎日家で1人で腰を柔らかくするストレッチや、言われた通り、笑顔で腰を回すトレーニングを行った。
11月に指摘されてから約1ヶ月半。運動のせいもあるが、その成果は見た目にも現れた。まず、腰まわりがスッキリしてきた。今までいくらジムでトレーニングしても、取れなかった脂肪がスッキリした感じ。足もスッキリした気がする。それともう一つ。フットワークが軽くなった気がする。
NYCに行く事を決意したのももしかしたら、このトレーニングのおかげもあると思っている。ニューヨークは前から行きたい行きたいとは思っていたのに、ずっと行動を起こさずにいた。

また、リラックスもやっと、ようやく分かってきた感じ。
もっと崩したいと思う。
ゼン先生、が仰っていた、斎藤さんの、人生20%で絶好調、頑張れ頑張れっていつも足りない状態になっているということ、ミユキ先生が仰っていた、もう私は今十分に幸せであると言う状態を作っていきたい。
私に今必要なのは自分自身を受け入れて認めるということ。
私はいつも、ひとに負けたくないとか、ライバル意識が強かったりして、自分にはいつもこれが足りない、もっとこれを向上させなければという意識があった。これば自分でいい事だと思っていたけど、まぁ確かにいい事もあったが、いつもこの状態。辛い。
これじゃ千と千尋のカオナシじゃないか。
私はカオナシを軽蔑していた。金で全てを手に入れようとするカオナシを。でも、足りない足りないと言っている自分もカオナシと同じが気がした。
常に満たされない状態で、求めて手に入れる事で満足しているという事に変わりはない。
もっと楽に生きよう。人生を楽しんでいこうと思う。
とにかく頑張らない事を頑張るをやってみたいと思う。
本当は仲間であるはずの演技をやっている人たちにライバル意識を持ち、いつも自分が自分がと自分の事しか考えていなかった自分だった。同じ志を持つもの同士を仲間として見て、芸術的の世界を表現するのだと、もっと愛のある広い心を持てるようになっていきたい。

2日目のリラックスの時、どうしても怒りと悲しみしか出てこない。ミユキ先生に大騒ぎした?と言われて、してないと話したら今しなさいと言われて思いっきり怒りをぶちまけた。ミユキ先生から殺しなさいと言われた時、ものすごい勢いで首を締めて、刺しまくった。
びっくりした。自分でもまだこんなに怒りの感情があるなんて。止まらない。
東京でもスタジオを借りてやっていたし大丈夫だと思っていた。

その後は悲しくなり、今何を感じてるか言いなさいと言われて言えなかったけど、寂しいと言っていた気がする。

その後はものすごいスッキリした感覚になり、リラックスに入ると、なんだろう、言葉で言い表せない。
とにかく頑張らずに続けられるっていう感じ。今まで自分でリラックスの練習をしていてもタイマーがなるまで長いと感じた。
でもいつまで続けても疲れない感じ。頑張ってない感覚。
この感覚を体に覚えこませたい、もっと緩めて、本当のリラックスを習得したい。

ゼン先生が無防備な人間が1番強いと言っていたけれど、そうなれるように、とにかく肩の力を抜いて、首の緊張を取って、もっともっとリラックスを。
まずはそこから。

もう一つ不思議な感覚になったのが、昨日、家に帰って鏡を見たら、え、誰?って思った。
レッスンを受ける前と受けた後では顔が全然違う。

ゼン先生、ミユキ先生は本当に感謝しかない。ゼン先生がこんな事指導してくれるところないだろうと仰っているが本当にそうで、今回思い出したのが、そういえば、思い出したくもないが、一度通った演技スタジオで、とにかく罵倒する演技指導者がいた。
衝動でしゃべろ、感じろ、としか言わず、どうやったらいいかは教えてもらえず、できないと、練習したのか、全然できてないと大勢の前で言われて私は耐えられずに体調も崩しすぐ辞めた。本当にすぐ辞めて正解だと思っている。あのままでは私は精神的にまいっていたかもしれない。

ゼン先生、ミユキ先生の愛のあるレッスンに本当に感謝しています。
金銭的な事情と仕事で毎月は通えないかもしれないけど、できれば毎月、少なくとも2か月に一回は通いたいと思っている。


今後ともご指導の程どうぞ宜しくお願い致します。



2019年1月9日水曜日

ザ アクターズ・スタジオ 授業内容とストラスバーグについて

スタジオ メンバー 
ゼン ・ヒラノ

アクターズ・スタジオでは、優秀な俳優を育てるためにどのような訓練方法をしてきたかを簡単に説明したいと思う。

生前、ストラスバーグは、年間、第一次試験、第二次試験をパスし、第三次最終試験に残った俳優から、一人、ないし二人を選んでメンバーの資格を与えた。

メンバーになれば、週に二度のクラスに毎回、出席出来るし、又、10年に一度出席も可能。

しかも、生涯一切無料。

演技クラスは、11時から約2時間。

2組の俳優たちが戯曲の一場面を演じて見せることになる。


メンバーは、プロの俳優たちなので、基本的に、本人ができる事を見せるのではなく、突き当たり、行き詰まっている問題、自分では解決困難な問題を持ち込んで、ストラスバーグの前で演じて見せることになる。

俳優は優秀であればあるほど、微妙な、その個人特有の演技の悩みを抱えている。

俳優として、自分自身を誤魔化すわけにはいかない。

本人の真実に対する感覚が許さない。

そして殆どの演出家は、この俳優の問題を解決出来ない。


ストラスバーグは言っていた。
「この目の前に立っている俳優の問題を、今日、解決出来るかもしれないし、又、5年掛かるかもしれない。しかし、必ず、解決してみせる!」
と。


俳優たちは、相手役と組んで、15分か、20分ほどの戯曲の一場面を演じて見せ、自分の演技の問題点を提示することになる。

まずメンバー達の感想を聞いた後、ストラスバーグ自身が問題の解決に乗り出す。

(僕自身、2,30回ほど彼の前で演じて見せ、演技力を高いレベルで達成させる事が出来るようになった。)


アクターズスタジオは俳優にとって、世界一神聖な場所だと言われていた。

プロデューサーやその他のビジネス関係者は、一切立ち入り禁止。

エリア・カザン(『欲望という名の電車』等、アメリカでNO,1の演出家と言われる。)も、ストラスバーグに代わって、時折演技指導をしたが、時間が来ると入口のカギを掛けてしまうという徹底ぶり。

多分 、オリンピック選手を育てるのと似ているがもしれない。

ズバ抜けて才能ある選手を見つけて、徹底して訓練し、金メダルを狙う。


我々俳優は、想像の世界で活躍し、運動選手とは違うのだが、スタジオのメンバーで、アカデミー賞受賞者は100人以上と言われる。

(前世紀半ばから今日に至るまで、マーロン・ブランドの演技力を上回る俳優は一人もいない。彼もスタジオメンバーで、アカデミー賞受賞を拒否している。)

今、当時のことを振り返って、「俳優の聖地」アクターズスタジオのメンバーになれたこと、そして、十数年に渡って、恩師ストラスバーグから、直接教えを受けられた事を心から感謝している。


ZEN

2019年1月3日木曜日

『神との対話』に魅せられて



ゼン・ヒラノ

前回、お伝えしたように、新刊、『神との対話』が10年振りに出版された。

完結編を読む前に、今までの、全、9冊をもう一度読み返そうとスタートさせた。

僕は、昔から非常に記憶力が悪い。
ニューヨークに住んでいる時に、向こうから友達がやってくると苦しい思いをすることが度々あった。
相手の名前を思い出せ無いのだ。
アメリカでは、必ず挨拶の言葉の後に、相手の名前をつける。
「HELLO Zen   Good morning」
等。

この『神との対話』第一冊目(もう四、五回読んでいる筈だ)読み始めて、相変わらずいつも感動するが、全く文面を、覚えていない。
よって、自分にとって大切だと確信する文章を、抜き書きして毎日読み返そうと決めた。

そしてふと思った。

記憶力が悪いのは良い事かもしれないと。

この『神との対話』のページを開く度に、始めてこの本に出会った時の、新鮮な感動を受けるからだ。
そして、一行一行目にする度に、神は、僕に、そして人類に何を伝えようとしているのか(記憶にないので)、この始めて出会った文章に感動し、そのメッセージの真意を理解しようと努めることになる。

以下に記載した文章は、僕にとってとても大切だと思って、抜き書きして、事あるごとに読み返すことにしている。

たった30ページの内に拾い,書き出したものである。

僕にとってこの本は、この人生で出会った最高の贈り物だと思っている。

記憶力が悪いので、機会あるごとに読み返して、神からのメッセージを潜在意識に染み込ませ理解したいと願っている。
(神が存在するかどうかは知らない。死ねばわかる。しかし、神以外に、誰が、このような人智を超えたメッセージを贈ることができるのだか?)

Zen 


感情を通じたコミュニケーション、感情は魂の言葉だ。

最も深い感情のなかに、最も高い真実が隠されている。

経験という、偉大なるコミュニケーション手段がある。

経験や感情によって、人は、直感的に知る。

私のメッセージは、あなたの最高の考え、最もくもりない言葉、最も偉大なる感情である。

最高の考えには、必ず喜びがある。曇りない言葉には真実が含まれている。最も偉大なる感情、それは愛である。

私からの一番強いメッセージは経験だ。

私は自由な意思と選択する力をあなたがたに与えた。

メッセージは本気で聞けば、必ず聞こえるはずだ。

全ての人は特別であり、全ての時は黄金である。

神からのメッセージを受け取るには、本当に耳を傾けようという意思を持っているかだ。

あなたがたは、自分が理解した事だけを正しいと思っている。

前進するには、「自分が間違っている」と思った全てが本当は正しいとしたら、どうだろうと自分に問うしかない。

偉大な発見はすべて、「正しくない」事を恐れない意思と能力によって成し遂げられた。

あなたがたが自分の真実を語るのをやめなければ、私の真実をあなたがたに語ることはできない。  

自分の感情に耳をすます事だ。自分の最高の考えに耳を傾けなさい。自分の経験に耳を傾けなさい。

神はその人の内的体験を通じて姿を現わす。

あなたは求めるものは手に入らないし、欲するものを得ることはできない。

正しい祈りとは、求めたり、すがったりすることではなく、感謝である。

「神は必ず、求めるものを与えてくれるという信念」それだけだ。

神の意図を疑い、究極の結果を生み出す、神の力を疑っていたら、安らかにいられるはずがない。

人間は一番大切なものを愛し、そして、破壊し、そして愛する。


若者の使命について

俳優を目指す人々への提言

『若者の使命について』



ザ・アクターズスタジオ正会員
ゼン・ヒラノ


今日、社会は、ITやAIの驚異的進化により未知の世界に突き進んでいる。

よって若者を指導できる指導者は皆無と言われる。

若者は、自分自身の発想、意思、選択、ビジョンで突き進むことになる。

いつの日か、この地球から、戦争をなくし、飢えをなくし、国境をなくして地球を楽園の星にすることは、若者の人類に対する愛と、新たなる発想と努力にかかわっていると確信している。

これらの未来を背負っていく(突き進んでいく)若者たちに、僕は、どんな貢献ができるのだろう?

僕は、確信している。

これまでに押し付けられた偏見や、価値観や、お仕着せを脱ぎ捨てて裸で立つこと、自分の胸に耳を傾けて、突き進む事だと思っている。

自分の可能性を信じて一歩踏み出す。

あなたの持っている潜在能力は、計り知れない大きさを持つ。

あなたの持つ能力は、天から与えられた贈り物で、あなたが気がつくかどうかが鍵だと思っている。

僕が、現在の合宿クラスで実践している重要課題の一つは、自分自身である事の素晴らしさを体験する「感情の解放」である。

今までに、自分の体内に溜め込んだ、押し付けられた道徳観、先入観、劣等感、嫉妬心、怒り、憎しみ等、否定的な感情を身体を揺さぶり動かし、大声で叫んで吐き出すことだ。

そして、本来の自分自身を取り戻すことだ。

本人が自身の吐き出す、否定的なあらゆる感情を受け入れ、励まし、勇気付け褒めてくれる人が必要だ。

それが、僕の仕事だと実感している。
(あるがままの自分に立ち返る。子供にかえるのが俳優訓練だと言われる。)

人は、それぞれの方向に偉大なる能力を持っている。

それに気づきを与えるのが僕の仕事であり、使命だと確信している。

今回、人に勧められたこともあり、何年振りか東京で、講義と実習を企画したいと思っている。

文才もなく、iPadに向かって右手の中指で、一行ごとに間違いながらなんとか文面を纏める仕事は、自分自身の認識を高めることに役立つと思うが、人々と直接顔を合わせ、交流し、体験して貰う事が、本来の自分の仕事だと思っている。


ZEN