2019年12月31日火曜日

みんなで瞑想を始めよう ②

この地球上の現在の状況は、台風に巻き込まれたように大荒れに荒れている。




テクノロジーの進歩であらゆる情報がネットで流され、情報過多の世界で人々は自分達を見失っている。



戦争、飢餓、環境破壊、異常気象、高齢化、ストレス、ロボットの急速な進化、失業、年間自殺者2万人(日本)、モラルの欠如、情報過多等々、目まぐるしい世界の渦に巻き込まれ喧騒の中で人々は、自分を見失っている。



先日、テレビでの業界のトップクラスの人々の対談で、皆が口を揃えて言ってた事が強く印象に残っている。



「この喧騒の世界に、一人静かに座って、自分の胸に聞くのだ。自分はどうありたいかを自分の胸に聞くこと。」
だと。



15分間、一人静かに座して、この喧騒の世界から離れ、内なる世界に入っていこう。



自分を取り戻そう。



忘れ去られた本当の自分に出逢うのだ。





『神との対話』に
「頭にあるものは、誰か他人が置いたもの。胸にあるものはあなた自身が自分で、置いたもの」
と書かれてあった。






NY ザ アクターズ・スタジオ
正会員
ZEN HIRANO

2019年12月30日月曜日

みんなで瞑想を始めよう

今朝、ミユキと朝食をとっている時、
彼女が...
「ゼンさんのブログ100人以上の人が、読んでいるよ」
と聞かされて驚いた。



そんなに大勢の人が、僕の勝手気ままに書き流した文章を読んでくれているなんて驚きだった。

ありがたいし、これからは、もっと役に立つ事を書かなければ、申し訳ないと思った。

そして、
ふっと気がついたことがある。

僕のエッセイを読んでくれる人、
みんなで、
それぞれの自分の家で毎晩、
夜11時になったら
15分間座って瞑想をする事にする。

もちろん、
各自が全く自由で、
毎晩でもいいし、
週に1、2回でも構わない。

とにかく座って静かにしてみよう。

みんなで一斉にスタートする事で、時空を超えてそれぞれが、自然に一体感を感じる事が出来ると思っている。


我々の日々の生活は、あらゆる雑多な外界の刺激に反応しながら、忙しく駆けずり回って生きている。

11時になったら腰を下ろして静かにし、自分の内なる世界に目を向けてみよう。



『神との対話』の本に、著者ウォルシュが、
神に
「静かにするにはどうしたらいいのでしょう?」
と質問した。

神曰く
「静かにしろ!」
と。


15分というのは、1日24時間の100分の1の時間だ。

11時から15分間、座して静かにしてみよう。

と言っても、僕は最近あまり瞑想をやっていないが、誰かに教わった
「息を吸って私は静か、息を吐いて私は微笑む」
を心に置いて瞑想をやっている。




NY ザ アクターズ・スタジオ
正会員
ZEN HIRANO

2019年12月29日日曜日

かけがえのない二人の友達





僕には、かけがえのない二人の友達がいる。

二人とも60代の美しい顔をした男性。

一人は、デカチョウサン。

 週に2,3回とことことやって来て、主に大工仕事を手伝ってくれる。

僕の家は、600坪の敷地に100坪の3階建て。

特に⒉階は自分の住居にしているので、7,8部屋有ったのを天井と壁をぶっ壊し、(重量鉄骨なので大丈夫)自分の好みに合わせて、アメリカスタイルのロフト形式にした。

今、思い返すと、生徒を始め、いろいろな人達が出入りして手伝ってくれて、自分の思い通りの素晴らしい部屋が出来上がった。

ある日、7,8人の大工さん達がこの家を観に来て
「素人にこんな事をヤラレちゃうんじゃあ、俺たちも頑張らなきゃーな」
と言って帰って行った事を思い出す。

そして、このデカチョウサンは、驚いたことに、僕のセンスとピッタリと合うので、どんな大工仕事でも、部屋のアレンジでも、彼に相談しながらやることにしている。

今日も、夜勤の帰りに立ち寄って、ガーデンの新しい企画を巻尺片手に、夢中になって話し合った。


楽しい!疲れた!


今、思い返すと、忘れがたいいろいろな人達に手伝って貰った。


この大工仕事はいまだに続いていて、もう一人はキムラさん。

彼は、本職の大工だが、今回、雨が染み込んで壊れた壁を、ほとんど毎日やって来て、材料から何から全ての持ち込んで一ヶ月かけて直してくれた。

もちろん無料。

壁にハシゴをかけ、曲がった腰で金槌を片手に怖い顔して登っていく。

僕の顔を見るとニコニコ笑顔で、僕とミユキに時々スーパーで半額になったお弁当を買って来てくれる。


不思議な人達だ。


この二人はエンジェルなのかな?

エンジェルって、可愛い女の子だと思っていたのに、残念!

 
NY ザ アクターズ・スタジオ
正会員
ZEN HIRANO

2019年12月28日土曜日

礼節の美しさについて

最近、柔道の試合をTVで観た。

日本の多くの選手が、勝ち負けのみにこだわって、目が血走って、美しいと思える選手が少なくなった。

ましてや、そのうちの一人が、三つの表彰台の上を横切って歩き、係員に注意されていた。

世界から賞賛されていた
「礼節から始まり礼節に終わる」
の日本の精神はどこに行ってしまったのだろう。

日本の誇る山下選手、古賀選手の佇まいは、いまだに、心の目に焼き付いている。

指導者に求められるものは、そして責任はこの日本の誇るこの礼節の美しさを一人一人の選手達に伝える事だと思っている。

この日本人の精神を具現化している驚きの人物がアメリカの大リーガーに忽然と現れた。

大谷翔平選手だ!

アメリカ大リーガーのトップ選手の全てが、百年に一度の彼の天才的能力のみならず、その礼節の正しさ、美しさに賞賛の声を上げている。

フランスの柔道人口は日本の3倍、30万人。

柔道の白い胴着と黒帯の美しさ、日本人の血の中に流れている、勝ち負けのみに拘らず、相手を思いやる礼節の美しさに惹かれたのだと思っている。

祖師、嘉納治五郎の精神を引き継ぎ、単独、海外に赴き、柔道をとうして日本の礼節の美しさ、大切さを、世界につたえた先人達の努力に、涙もろい僕の、止めどなく流れる涙を通して、彼らに、感謝と敬意をお伝えしたいと思っています。


注)
最近では、コートに足を踏み入れる前にお辞儀をするバトミントンの女性、そして、驚いたことにロック クライミングの若い男性の礼の仕方には深く感動させられた。
もし誰かが、礼節を尽くした美しいお辞儀をする方法は、と聞かれたら、僕は教師なので答えなければならない。

「全ての人、全てのことに神を見て・・・」
と『神との対話』に書かれてあったと。

NY ザ アクターズ・スタジオ
正会員
ZEN HIRANO

2019年12月27日金曜日

新たなクラスを開講するにあたって

最近自分の長所は、何なのか考えてみた。



(年間、アクターズ スタジオの合格者が千人に一人と言う難関を突破して、俳優、演出家としての全ての申し出を断り教師の道を選んだ。)

その理由は、人々の成長を見ることが大好きな事だと思う。

お花畑にそれぞれの花が咲くのを見るのが大好きで、50年間、一度もクラスに遅刻したことがない。

それぞれの花が、スミレであろうが、ばらの大輪であろうが、セイイッパイ咲き誇る姿にいつも感動する。

それぞれの人の、それぞれの真の姿がそこにある。

その事が、無条件に嬉しい。

今回、友人の勧めもあり、指導的な立場にある人、多くの人々に影響力を持つ人に、本人の持つ能力、才能に、本人自身に気づきと自信を与え、本人固有の表現力、説得力を身に付けることを指導したいと思っている。

今回、この人たちが、ここで培った能力を駆使して、社会のそれぞれの人々のそれぞれの花を咲かせるよう努力して欲しいと切に願って、プライベート・レッスンを開講する事になった。

僕の好きな言葉。
「成長は神の存在の証し」

NYアクターズ・スタジオ
正会員
ZEN

2019年12月26日木曜日

かつての生徒たち



今回、みゆきが、珍しく元ゼミ生の公演に観劇してみんなの写真を送って来た。

送られて来た集合 写真にショックを受けた。

一人一人があまりの変容ぶりで、みた瞬間拒絶反応を覚えた。

僕の中には30年前の生徒たちのはち切れんばかりの若さに満ち溢れたイメージしか無かったから。


意を決して、時間を置き、もう一度、心を鎮め、客観的に写真を見た。

それぞれがとても美しい笑顔をしていた。

そして、それぞれの人たちの表情がそれぞれの人生を物語っていた。

嬉しかった!

生徒たちに、
健康で、
幸せで、
常に夢を抱き自分自身を向上させて欲しいと心より願っている。


NY ザ NY ザ アクターズ・スタジオ
正会員
ZEN HIRANO

2019年12月25日水曜日

ゼン先生へ


ゼン先生

先生、心が軽いのを感じます。
うれしい気持ちを感じています。本当にありがとうございます。

レポートお送りします。
お時間ある時に、お目通しください。

ゼン先生レッスン第1回
【終了後レポート】

1.歩く
ただ歩く、繰り返し歩く、美しく歩く。
綺麗に、明るく、自分らしく。

<気を付ける>
ガニ股、足が開きやすい。
肩に力が入る。手をわざとらしく振り過ぎる。
指先まで意識を入れる。指先から静電気を感じる。
感情を声に出す。胸から声を出す。

<明るく美しく>
明るく、自然な笑顔で、「あなたに会えてうれしい♪」。
前へ前へ、膝を曲げず、スッスッと足を出す。


2.座る
楽に座る、全身の力を抜く。
緩める、ズラす(崩す)、拡げる。

<気を付ける>
手足、肩腰、一か所ずつ動かす。
動かしたら必ずリラックスを確認する。
眼に力を入れ過ぎるクセがある。
何かから自分を守ろうとしている。
自信のなさをカバーしようとする癖がある。

<自然に、オーソリティーとなる>
ただ座る。自然と座る。
オーソリティー(=その方面の権威。大家。)となる。


3.吐き出す
暴れる、大騒ぎする。
大声で怒りを吐き出す。

<なりふり構わず>
身体を動かす。殴る、蹴る。
もっと暴力的に。
「ぶん殴ってやる」
「ぶっ殺してやる」
「バカヤロー!」

<引きずらない>
最後に
「あ~せいせいした」
「おもしろかった~」


4.レッスンを通して
<習慣を好転する>
自分の癖(好ましくない習慣)に気づき、意識的にやめること。
身振り手振りで自分を守る癖。手もみをする。前屈みになる。睨む。
「 難しいことを楽にできるように
  楽にできることを美しく
  美しくできることを習慣にする 」

<自信を持て、大丈夫だ>
リラックスがいい、大丈夫だ。
能力がある、自信を持ちなさい。
誇張することなく、ただ誠実にやればいい。


5.感想
35分間の魔法、超プロの人間教師。
生徒を観察する、数千人の経験から来る洞察力。
比類なき才能、上から降りてくる直観力。


6.感謝
ありがとうございます。心から感謝します。
40年間、真面目に生きてきてよかった。


神からのギフトを感じます。

次回まで、教わったことが習慣となるように、
「 おー、だいちゃん、すっかり変わったね 」
とゼン先生におっしゃって頂けるように。


職業 経営コンサルタント 男子40才

2019年12月24日火曜日

俳優を目指す若者たちに向けて②

僕のワイフ ミユキ・ヒラノが、ここ河口湖のスタジオで
「ミユキ・ヒラノ俳優生活40周年記念イベント」
を開いた。

ミユキが、東京の僕のクラスの門を叩いて40年もたったとは、いつも、現実感に乏しい僕にとって、実感を持てない。

1時間が長いと思う時もあるし、一年が短いと感じる時もある・・・

その時その時の衝動に従い、勝手気ままに生きて来た僕と、ミユキが僕と未だに生活を共にしているのは、人間の理解を超えた宇宙の仕組みのような気がする。

記憶力の乏しい僕にとって、40年前の唯一記憶に残っていることは、ミユキが当時18歳で、初めて相手役とクラスで戯曲の一場面を演じた時の事である。

彼女が演じ終わった途端、生徒全員が拍手した。

クラスでこんなことが起きたのは初めてのことで、才能があり女優としての将来性があると思わされた。

ミユキの演技に対する情熱はすさまじく、それまで積み上げて来たお琴をやめ(ミユキはお琴の教授の資格を持っていた。歳を誤魔化して資格を取ったので日本最年少の記録である。僕が未だに心が痛むのは、ミユキを大切に育てあげた教師のことだ。)、ある日突然飛び出して、演劇の世界に身を投じてしまった。

お琴は未だに家の壁に立て掛けてあるが、僕は、一度も聞いたことがない。

今度の僕の誕生日に是非聞かせて欲しいと思っている。

NY ザ アクターズ・スタジオ
正会員
ZEN HIRANO

2019年12月23日月曜日

俳優を目指す若者たちに向けて

楽器、歌手、ダンサー等は、誤魔化しが効かない。

ニューヨークのメトロポリタン オペラアウスで、7,80人のオーケストラで、1人が場違いの音を出した時、観客席がどよめいたことを記憶している。

歌手が音を外し、ダンサーが転べば、誰でもすぐわかるし、言い訳が効かない。

俳優は誤魔化しが効く。

愛してもいないのに好きだと言い、悲しくもないのに、ハンカチを顔に当てたりする。

アカデミー賞を貰うようなトップクラスの俳優を見ていると、想像の世界に起きたことが、実際に今、自分に起きているのだと99パーセント信じているように見える。

100パーセントだと、現実の世界に戻れなく、舞台から転げ落ちるか、病院行きとなる。

このレベルに達するには、才能と訓練が必要となる。

才能無くして、訓練は不必要だし、訓練無くして才能は役に立たない。

もう一つ、スターになるには、天から与えられたスター性が必要だ。

スター性は観客が決めると言われる。

マリリン・モンローは、彼女の絶頂期に、一年間仕事を辞めて、アクターズ・スタジオに参加した。

アル・パチーノは、毎朝5時に起きて訓練に励み、ロバート・デ・ニーロは、役のために実際にタクシードライバーをやった。

あなたはどうだろうか?

現在の若者達は、スターになる事を夢見る。

天性の容姿と才能があったとしても努力無くしてスターになれないし、努力があっても才能が無ければモノにならないと言われる。

俳優になりたいと言う欲求は何か?


ゴードンクレイグが言っている。
「高く舞い上がりたいと言う欲求であり、想像の世界に生きたいと言う欲求だ!」

セリフを一生懸命暗記したって俳優にはなれない。

セリフは覚えて忘れろと言われる。

相手のセリフを聞いて自分のセリフを思い出せと。

一方、本当に演劇が好きだったら、何も、スターになる必要はない。

仲間をかき集めて
好きな作品を好きな場所で、
好きなようにやればいいと思っている。

NY ザ アクターズ・スタジオ
正会員
ZEN HIRANO

2019年12月22日日曜日

五感の記憶の訓練について

リラックスは集中力を高める。

リラックスと集中力は相互関係にあって、リラックスがよければ、集中力が高まり、集中力が高まれば、リラックスがより深くなる。

どんな分野に於いても、名人と言われる人の集中力はすざましい。

俳優の場合、集中力を高める訓練は、そこに実際にあるものに注意を集中するよりも、無いものに集中する方が、より訓練として効果がある。

俳優の仕事は、想像の世界を信じる事、想像の世界に生きること。

それが俳優の至福の喜びであり、神の領域を垣間見る事だと信じている。

10回に9回できなければプロの俳優とはいえない。

誰でも頭の中では、何でも簡単に想像できる。

しかし、貴方は毎朝使ってるカップを目の前に、頭で想像するのではなく、手の中にあると信じる事ができるだろうか?

カップの重さ、大きさ、形を、頭ではなく指先で実感できるだろうか?

五感の記憶の訓練は最重要課題だと身をもって訓練してきた。


演技とは信じる事だと言われる。

頭の中にある物を目の前に置き信じる事ができるだろうか?

確かに存在すると信じる事が出来るだろうか?

目の前にいる相手役を恋人だと信じ、胸を実際にときめかすことが出来るだろうか?

想像の世界を実感し、想像の世界に高く飛翔したいと祈るのが、真の俳優の姿だと、教わってきた。

そこらへんのゴミを拾って喜んでいるのは、人生の無駄だ。


ストラスバーグに教わった。
「遠くの星に向かって手を伸ばせ」
と。

その辺で格好のいい話に耳を傾けるのではなく、想像の世界に生き、真に俳優の喜びを実感したいと思う人に、ここ河口湖にやって来て欲しいと強く願っている。


NY ザ アクターズ・スタジオ
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ZEN HIRANO

2019年12月21日土曜日

首のリラックス

首には生命維持のための、非常に重要な器官が詰まっていて、意識的にも無意識的にも、常に緊張しやすい。

意識的に前後左右、緩めることを意識して、右回転、左回転させて緩め、椅子の背もたれの外(後)に首を落とし、夜汽車に乗って旅をして、眠りにつく様に仕向けてみる。

首のリラックスに注意して眠りにつく寸前まで、自分を追い込んでいく。

しばらく、数分その状態をつづけて、ユックリと首を起こし目を開け 、辺りを見回してみると、不思議な現実感を体験する。

自分の周りが、部屋が、静かに存在し、自分自身も、何のワダカリもなく、静かに、無時間の世界に存在している様な体験を実感する。

日常生活でわれわれは、不安や先を急ぐために、自分自身を見失うのかもしれない。

瞑想するとリラックスするだろうが、われわれ俳優は、座ったり、立ったり動いたり、相手役と交流したりしなければならない。

これらの行動に、もちろんエネルギーが必要だ。

必要以上のエネルギーを使うことを緊張という。

俳優は常にリラックスを心がけ、自分の緊張に気づき、気づいたら、緩めと脳で命令を出し緩められる様訓練する必要がある。

文章で、リラックスを説明すると回りくどくなるが、実際に体験してみると、体でリラックスを実感できる様になる。

要は、人前に立った場合、自分の緊張に敏感に気づき、脳で「緩めと」と命令をして緩められる様、訓練する以外に方法はない。

何回も、何回も人前に立ち、慣れでリラックスするにはあまりにも時間がかかりすぎる。

身体の緊張を、心理的な緊張を取り去る方法を文章で説明するのは難しい。

実際に、本人を椅子に座らせて、体に触れ、身体のどの部分が緊張にしているかを、本人に気づかせ、緊張を取る方法をガイドして、自分で自分の緊張を取れる様指導する。

僕が、なぜ、こうまでも、リラックスにこだわるかというと、リラックスは、集中力を高めるからである。


リラックスと集中力は、想像の世界に、入り込む鍵だ。

いかにも信じたふりをするお芝居をやめて、想像の世界に浸りこむ訓練をしよう。

ゴードン・クレイグが言っている。
「俳優になりたいと言う要求は、想像の世界に生きたいと言う要求であり、高く舞い上がりたいと言う要求だ!」と。

正しく訓練して真のリラックスを手に入れよう。

ZEN


注!)
リラックスについて述べてきたが、実際には、訓練として10分から15分あればいい。
まず、自分の緊張に気づくことだ。
自分のからだの何処に緊張があるか気づき、取り除く能力を手に入れること。
本番や、オーディションの前に、5分間のリラックスで充分。是非やってほしい。




NY ザ アクターズ・スタジオ
正会員
ZEN HIRANO

2019年12月20日金曜日

 精神的なリラックスについて②

前回の精神的リラックスは、こめかみと目についてのリラックスを紹介した。

だいたい一箇所に五、六分かければ良いと思っている。

個人差があるので、マイペースでいけばいい。


今回は、口と顎のリラックスについてガイドしていきます。

口と顎はものを食べたり飲んだりするだけではなく、言葉を話す機能を備えています。 

考えたことを相手に伝えるのに、口を如何に言葉にするか考えたりしません。

考えたこと、感じたことは、オートマチックに言葉になって表現されます。

それなのに、これを言ったらまずいなと思ったら即ブレーキが掛かります。

口を閉じます。

思考や感情と結びついて、考えたこと、感じたことを言葉にあらわすだけでは無く、考えたり、感じたことにブレーキをかけ、嘘をついたり、お世辞を言ったりします。

此のように口と顎は、食べる事、話すことに頻繁に使われるので、とても緊張しやすい場所です。

此の口と顎をリラックスさせるには、顎を上下左右、前後とにゆっくりと動かし、舌もあらゆる方向に動かして緩めて見ましょう。

唇も意識的に開いたり閉じたり微笑んだりして、リラックスした、貴方らしい、美しい顔を復活させましょう。

街中でよく見かけるのは、口を一文字に結んで、無意識に怖い表情を浮かべている人たちです。

あなたも、鏡に向かって、習慣的に染み付いた緊張を意識的に取り除き、本来の自分の顔を取り戻し、微笑みをたたえた美しい表情を浮かべるよう心がけましょう。

貴方は、人々の気持ちを明るくさせるよう心がけましょう。

努力しましょう。

スタニスラフスキー曰く、
「我々は俳優であるまえに、エンターテナーであるべき!」
だと。


NY ザ アクターズ・スタジオ
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2019年12月19日木曜日

精神的なリラックスについて

今回は精神的な不安やイライラ等、心理的な緊張を取り除く具体的な方法について説明します。

まず始めに、前回説明したように、椅子に座って体を緩め、首の力を抜いて後ろに落とす。

体全体のリラックスを確かめてから、まず始めに、右のこめかみに注意を向ける。

こめかみは、色々な神経系統が集まっていて緊張しやすい。

長く本を読んだり、考え事にかかずりあうと、こめかみが緊張し無意識に指先で揉む事がある。

右のこめかみに意識的に注意を向け
緩め、緩めと心で声をかける。

こめかみに陽の光が当たったり、温湿布を当てたと想像するのも良い。

ただし、実際に指を使って揉んだりしない事、舞台では許されない。



リラックスへのアプローチは、自分のからだのどの部分が緊張しているか、その気づきを強め、その緊張に脳で命令して即、リラックスするように訓練する。



言葉で説明すると難しい事の様に聞こえるが、訓練によって、自分の緊張に敏感になり、気づいたら、即、リラックスできる様になる。

今、この文章を読んでいる貴方の体のどの部分が緊張しているかを調べてみるといい。

あごを不必要に噛みししめてるかも知れないし、肩を習慣的にイカラセて緊張させているかも知れない。

要は、自分の緊張に気づき、ゆるめ!と脳で命令し、その命令が即、実行されるよう訓練する事だ。

特別な才能に恵まれているとは思えないが、なかなかいい演技をするなと思われる俳優は往々にしてリラックスが良い。

俳優に限らず 、オーディションや面接、試験等、多くの人が此の緊張のために、自分の持っている能力を発揮出来ないでいることが多い。


あらゆる職業、スポーツ等を含めて名人と言われる人たちは、リラックスが良い。

卓越している。

なぜなら、リラックスは、深い集中力を呼ぶからだ。

アメリカンフットボールの伝説的な選手、O・J・シンプソンとたまたま2人で散歩する機会に恵まれたが、彼のリラックスの凄さが、今だに強く印象に残っている。

人間とは思えないしなやかさ。

まるでヒョウか何かの動物が歩いているという印象を受けた。

又、サッカーのクリスティアーノ・ロナウドをテレビで見たことがあるが、自分に球が来ない時には、ダラダラ、グテグテと散歩しているように見える。

あのリラックスの能力が彼の驚異的な瞬発力を生むのだと思う。


訓練の原則は、
1)時間をたっぷりと使うこと。
多くの俳優は、即、結果を求めてそわそわとはじめやすい。

2)何かが起きたら、騒ぎ回ったりやめたりしないで、たんたんと続けること。

3)何かを掴んだと確信したら、何時迄もそこに留まらないで、範囲を広げていく。


ストラスバーグは言っていた。

「女の子の手を握ったら、何時迄も握っていないで、範囲を広げていけと!




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2019年9月16日月曜日

センソリーウォーク №5

~五感の記憶の訓練を後世に残す~
№5


前回、長々とアクターズスタジオのオーディションの模様をお伝えしたのは、
メソード アクティングの五感の記憶の重要性を認識してもらう為です。

特に、ストラスバーグ存命中、普通何年もかけて第一次試験、第二次試験、第三次試験をパスしなければ、メンバーになれないのに、僕の才能を認められたと思うが、異例の最終試験の3日前の特別招待の通告で、スタジオのメンバーになれたのには、ハッキリとした理由があります。

いくら、才能があり演技力があると言っても、試験のその日、その場で、試験官の前で演技力を見せなければ、メンバーにはなれません。


それには、才能と、その才能を決められた場所と時間に開示出来る能力を獲得する、確かな技術を必要とします。


その方法とは、ストラスバーグが、俳優の訓練方法として生涯に渡り提唱してきた五感の記憶(センソリーウォーク)です。


オーディションの当日、僕は二つのセンソリーウォークを意識的に駆使しました。


感情の記憶とプライベートモーメントです。


感情の記憶とは、自分の人生体験で強烈な感情(愛する人を失うとか、命の危険に曝されるとか)を五感の記憶を使って思い出し感情を爆発させるのです。


この場で、そのアプローチを詳しく説明するのは困難ですが、確実にその感情を思い出すのに、40分かかりますが、訓練を重ねて1分まで縮めることができるようになります。


大変難しく聞こえますが、教師が実際に集中力をガイドすれば、誰でもできるようになります。


最終試験当日僕がもう一つ、使った技術は、プライベートモーメントで、公開の孤独と言われるものです。


多くの俳優たちが、観客の視線に負けて集中力を失います。


この訓練は、頭で知っている自分の部屋を目の前に置き、自分以外に誰もいないと確信するまでやるのです。


正しい方向で練習すれば、誰でも取得出来ます。



多くの俳優たちがセリフをいかに話すかに時間をかけていますが、我々の演技に対する姿勢は、「セリフは覚えたら忘れろ。相手のセリフで思い出せ」と言われ、でなければ人生を反映できません。


演技とは、「リハーサルはなかった。今、目の前で物事は刻刻と起きている」という、幻想だと言われます。


セリフの言い方を練習すればするほど、生きた演技から離れていきます。



今、20程ある五感の記憶の訓練を、一年かけてマスター出来るよう、ここ河口湖で合宿クラスを開催し、生徒の、その訓練過程をビデオに収め、世界に向けて発信したいと考えています。


スタニスラフスキー、ストラスバーグと受け継がれた、正しい演技訓練を絶やすわけにはいきません。


この目的を実践するための具体的なプランは次回に。


ストラスバーグ曰く。
「我々はオールド ハット(時代遅れ)と言われるかもしれない。しかし、我々は、本流を泳いでいるのだ!」


 ザ アクターズ・スタジオ
正会員
ZEN HIRANO