2019年12月23日月曜日

俳優を目指す若者たちに向けて

楽器、歌手、ダンサー等は、誤魔化しが効かない。

ニューヨークのメトロポリタン オペラアウスで、7,80人のオーケストラで、1人が場違いの音を出した時、観客席がどよめいたことを記憶している。

歌手が音を外し、ダンサーが転べば、誰でもすぐわかるし、言い訳が効かない。

俳優は誤魔化しが効く。

愛してもいないのに好きだと言い、悲しくもないのに、ハンカチを顔に当てたりする。

アカデミー賞を貰うようなトップクラスの俳優を見ていると、想像の世界に起きたことが、実際に今、自分に起きているのだと99パーセント信じているように見える。

100パーセントだと、現実の世界に戻れなく、舞台から転げ落ちるか、病院行きとなる。

このレベルに達するには、才能と訓練が必要となる。

才能無くして、訓練は不必要だし、訓練無くして才能は役に立たない。

もう一つ、スターになるには、天から与えられたスター性が必要だ。

スター性は観客が決めると言われる。

マリリン・モンローは、彼女の絶頂期に、一年間仕事を辞めて、アクターズ・スタジオに参加した。

アル・パチーノは、毎朝5時に起きて訓練に励み、ロバート・デ・ニーロは、役のために実際にタクシードライバーをやった。

あなたはどうだろうか?

現在の若者達は、スターになる事を夢見る。

天性の容姿と才能があったとしても努力無くしてスターになれないし、努力があっても才能が無ければモノにならないと言われる。

俳優になりたいと言う欲求は何か?


ゴードンクレイグが言っている。
「高く舞い上がりたいと言う欲求であり、想像の世界に生きたいと言う欲求だ!」

セリフを一生懸命暗記したって俳優にはなれない。

セリフは覚えて忘れろと言われる。

相手のセリフを聞いて自分のセリフを思い出せと。

一方、本当に演劇が好きだったら、何も、スターになる必要はない。

仲間をかき集めて
好きな作品を好きな場所で、
好きなようにやればいいと思っている。

NY ザ アクターズ・スタジオ
正会員
ZEN HIRANO