2019年12月24日火曜日

俳優を目指す若者たちに向けて②

僕のワイフ ミユキ・ヒラノが、ここ河口湖のスタジオで
「ミユキ・ヒラノ俳優生活40周年記念イベント」
を開いた。

ミユキが、東京の僕のクラスの門を叩いて40年もたったとは、いつも、現実感に乏しい僕にとって、実感を持てない。

1時間が長いと思う時もあるし、一年が短いと感じる時もある・・・

その時その時の衝動に従い、勝手気ままに生きて来た僕と、ミユキが僕と未だに生活を共にしているのは、人間の理解を超えた宇宙の仕組みのような気がする。

記憶力の乏しい僕にとって、40年前の唯一記憶に残っていることは、ミユキが当時18歳で、初めて相手役とクラスで戯曲の一場面を演じた時の事である。

彼女が演じ終わった途端、生徒全員が拍手した。

クラスでこんなことが起きたのは初めてのことで、才能があり女優としての将来性があると思わされた。

ミユキの演技に対する情熱はすさまじく、それまで積み上げて来たお琴をやめ(ミユキはお琴の教授の資格を持っていた。歳を誤魔化して資格を取ったので日本最年少の記録である。僕が未だに心が痛むのは、ミユキを大切に育てあげた教師のことだ。)、ある日突然飛び出して、演劇の世界に身を投じてしまった。

お琴は未だに家の壁に立て掛けてあるが、僕は、一度も聞いたことがない。

今度の僕の誕生日に是非聞かせて欲しいと思っている。

NY ザ アクターズ・スタジオ
正会員
ZEN HIRANO