2017年8月18日金曜日

第四章 俳優を目指す若者たちへ

~リラックスの訓練について~
ゼン・ヒラノ


最近、興味深い出来事があった。

40代の女性だと思うが、大変な行動力があり、メールを送ると5分も経たない内に返事が返ってくる。
いつも、その内容の誠実さを実感させられた。

『神との対話』という本に
「やろうとするな、やれ」

と書いてあったが、まさにそれを、実践している人だと思った。

僕と、話をしたいと言って河口湖までやって来た。

僕のワイフ、みゆきの生徒なので、あまりタッチしたくなく、2、3話をした。
今迄、個人的にやったことがなかったが、彼女のリラックスをみることにした。


彼女のリラックスの能力は、非常に良い。
特筆すべき事は、コミットメント(自分を目的に向かって投げ出す力)を高いレベルで訓練されている。
意志の力が非常に強いという事だ。

椅子を使ってのリラックスの後、床に転がって大暴れし、大声を出せと言われて、即全力で投げ込んでくる。

ほぼ、10分ほどのレッスンだったが、僕のサゼッションは以下の通りである。

意志の力は非常に強い。
たぶん、幼い時から家庭や周りの環境で鍛えられたのだろう。
彼女に必要なことは、リラックスの訓練で、カラダをずらし、広げ、ゆるめ、何かを感じたら胸から、バイブレーションを入れて声にし、外に出すことだ。
感情が非常に伝わり易い楽器になる。
(喉から押し出された声は感情が伝わり難い。)
彼女は、大勢の人を指導する仕事をしていると聞いているが 、人間は、感情で動く。
自分の感情を使って相手の感情に働きかける能力を高めることが、大切だと思う。

(俳優にとっては死活問題だ。)

ある人は、否定的な感情が飛び出したら困ると心配するかもしれないが、感情にブレーキをかける事を今までにやって来たので、ブレーキをかけたい時はいつでもかけられるので心配はいらない。

彼女の長所、意志の強さはあくまでも、バックグランドにおいて、感じた事をあるがまま、感じるがまま、よりフリーに笑顔で表わして欲しいと思っている。

毎日、5分間椅子に座ってリラックスを習得して欲しいと思っている。

(恩師ストラスバーグが、俳優の基本訓練である、このリラックスを一般の人に広めたいと常に言っていた。)

ZEN