2018年8月10日金曜日

第18回 メソードアクティング訓練の実際


リラックスの重要性について
〜番外編〜
「感情の解放」


古来からの伝統的な教え、瞑想、ヨガ、太極拳等々は、リラックスの重要性を説いてきた。

これらの訓練を極めることによって、静寂、安らぎ、愛等、人間の内的本質を求めてきた。

我々のリラックスの訓練の目的は、一つ大きく違う点がある。

表現力を身につける為だ。

永年抑え込まれ、自分自身の躰にすみついた緊張を意識的に声を外に出し、取り除くことによって、警戒心からフリーになり、リラックスによって自分らしさ、あなた自身の固有の表現力を発揮するのが目的だ。

多くの場合、人々は幼児期を過ぎて、親や他人からいろいろ言われて、言動を控えるようになる。

ある時は、自分の意見、感じたことを伝えたいと望んでも、習慣的にブレーキが掛かってしまい、ぎこちなさを実感する。

自分らしさ、あるがままの自分を伝える事が出来ないでいるため、自分を責めたり、相手を批判したりする。

では、人間はどのようにして、感情や衝動にブレーキを掛けるのだろう。

歯を食いしばったり、眉を寄せたり、肩に力を入れたり、足を踏ん張ったり、腰に力を入れて等、躰を緊張させて習慣的にブレーキをかけてしまう。

(時に人は大きな悲劇に直面すると、腰が抜けたという状態になり、感情がとめどなく流れ出すのを目撃する事がある。)

この不必要なブレーキをかける事によって、その人本来の美しさ、生き生きさを失っていく。

この問題を解決するには先ず、自分自身の緊張に気づくこと。

自分の躰のどの部分が緊張しているかを気づく事。

具体的には、椅子に腰掛け(脚の緊張もチェック出来るようにする為)、躰を開けっぴろげ、ずらす。

不用意で、無防備な状態にさせるため。パターン化した、礼儀正しさを崩す。

そして、躰の隅々から、不必要な緊張を追い出すため、緩めるという手順で躰の隅々に棲み着いた緊張を胸からの声を出して外界に解き放つ。

上記の姿勢、動きで自分の体の何処に緊張があるかを見つけ、見つけたらその部分を、ユックリと緩まるように、あらゆる方向に動かし緊張を追い出していく。

その過程で衝動が走ったら(感じたら)声にして外に吐き出す。

表現力を強化するため、自分の気持ちが、あるがままに、表れ易くするため、声はアップダウンなしで、平均的な声で、バイブレーションを入れる。

それは会話ができるように、感情が乗りやすくするためである。

ある人は、この様な訓練をすると、相手に否定的な感情、怒り・憎しみ・不快感等もブロックしまうのでは無いかと不安に感じる人がいるかも知れない。

その不安は、一切不必要。

これはマズイなと感じたら即、ブレーキを掛けられる。

なぜなら、人生で、幼少期からブレーキをかけることを徹底して教え込まれたから。

今、我々はブレーキを離す訓練を必要とする。

僕は生徒に、自分の意志、判断力、努力によって自分で自分を育てられるように教育している。

教師から刺激を受けることは出来る。

その刺激を受けて、自分と向かい合い、自分自身を成長させるさせる事の出来るのは、あなたしかいない。

まゆを持ち上げ、明るい表情で話す習慣を身につけよう。

僕は、生徒に笑顔で話すために、鼻を持ち上げてみる(想像で)ことを進めている。

それぞれが、自分の人生のキャリアを築くため、他人に親切に、笑顔で明るく、胸からの気持ちのこもった声を身につけて欲しいと、切に願っている。

ZEN