2021年5月20日木曜日

メソードアクティング 演技講座

 2021

第1回

NY ザ アクターズ・スタジオ


正会員

ZEN  HIRANO






みなさん、こんにちは。

いよいよ今日から講座をスタートすることにしました。

特に俳優の基本訓練に重点を置いて進めて行きたいと思います。


その理由はアクーズスタジオでは俳優の基本訓練を一切取り扱っていません。


この基本訓練(五感の記憶)はストラスバーグの個人の学校で彼が直接教えていました。


メンバーの中で、この訓練を受けた人は全く稀で、私の知る限りでは数年間受け続けた人はアーマサンドリとほんの二三人だけです。


私はストラスバーグの直弟子ということもあって、彼の存命中、このクラスを10年以上受け続けました。


ストラスバーグから

「ゼンはもう受ける必要がないだろう」

と度々言われましたが、私にとって、クラスは興味深々。


俳優の創造過程に携わることは大きな喜びでした。


前置きが長くなりましたが、それぞれの俳優の才能を開花させるための基本中の基本、五感の記憶をできるだけわかりやすくみなさんに伝えようと思っています。


まず俳優訓練で第一に手をつけるべき課題はリラックスです。

リラックスとは何かという質問に対して、


ストラスバーグは

「緊張とは何か考えたらいい」

と言っていました。


緊張とは不必要な力だ。


ただ、地面に立つために肩を張ったり足を踏ん張ったりする必要はない。


よく考えるとあらえる職業、あらゆる行動にリラックスが要求されます。


100メートル10秒切る選手を見て、解説者は「リラックスがいいですね」と言います。


お互いにリングで殴りあうボクシングも然り。

ましてや俳優は決められた時間と場所で、かつ観客の視線の中でリラックスを要求されます。


スタニスラフスキーの最初の発見の一つ、偉大な俳優たちの名演技の共通した要素は、リラックスと注意の集中の存在です。


現在でも才能豊かな俳優たちが観客の視線の抑圧のためにリラックスできず、その才能を発揮できない現場をしばしば目撃します。


では具体的にリラックスは訓練可能か? 


Yes!


ではどんな訓練を必要とするか。

それは、舞台に上がって緊張したら体に緩めと命令して、その命令が実行されることです。


今後、

 第二回  

心理的なリラックスのアプローチ

 第三回  

俳優のための太極拳

 第四回  

プライベート モーメント

(公開の孤独)

 第五回  

俳優のための瞑想

(各自に秘められた内なる才能を開花させるため)

計5回に渡ってリラックスの問題を取り上げる予定です。



ZEN  HIRANO