2018年7月12日木曜日

第11回 ザ・メソードアクティング訓練の実際



訓練 センソリーウォーク
五感の記憶
モーニングカップ
ー朝の飲み物ー



駆け出しの頃、日本で五感の記憶の訓練を受けた経験があるが、実人生でお茶を飲むと同じ動作で五感を訓練するという方法を取っていた。

つまりまるでパントマイムのようで、第三者から見て俳優が何をやっているか明瞭だった。

役に立たなかった。

形を思い出すのでは無く、五感の記憶を訓練しているので、第三者が見て何をやっているか、全く解る必要がない。

気違い染みて見えるかもしれない。

頭の記憶では無く、指の触覚でカップを思い出す。

カップの重さ、大きさ、暖かさ、肌触り、コーヒーの味覚、等々。

大切なことは常に体を動かしリラックスさせながら、同時にカップに注意を集中させる。

自分の注意を身体のリラックスとカップ両方に向ける。

指先にカップの重さ、触覚、暖かさ等を感じると思いがけない、強いセンセイションを体験する。

頭をカップから遠くに退けて指で考えるようにする。

カップの重さ、肌触り等、センセイションを感じたら、間髪入れず、すぐ声を外に向かって吐き出す。

吐き出す声は、泣きながらでも、笑いながらでも一定の大きさ、太さの声、そしてバイブレーションを入れること(感情が伝わりやすい)。

センセイションを感じている間、声を外に向けて出す。

声は、アップエンドダウン無しの、バイブレーションのある平均的な太さの声を胸から出す。

バイブレーションのある声は感情が伝わりやすく、アップエンドダウン無しの平均的な声はセリフを載せることができる。

センセイションを感じている間のみ声を出し、センセイションがストップしたら、声もストップする。

このエクササイズの最中、常に自分の身体に注意を向け、コンスタントに身体をリラックスさせ続けるために動かし続ける。

つまり、カップとリラックスに注意を二分して訓練を続ける。

また、このカップのエクササイズは、頭で無く指で考える、と言われる。

ある時は、カップの重さを指先で求めている時に、暖かさや、コーヒーの香りがやって来るかも知れない。

どんなセンセイションも否定しないで声に出す。

但し、重さへの追求をしていることを意識することが大切。

五感の記憶の訓練モーニングカップは、五感(視覚、触覚、味覚、臭覚、聴覚)全てを網羅するので、たっぷり時間をかけて練習する事。

特に、この五感の訓練で必要な事は、出来させようとしないこと。

出来させようととすると出来ない。

出来ても出来なくてもいいや、
兎に角やってみようと言う心構え。

そして、気持ち良く終わること。

一回に15分から20分程度。
ZEN