2018年7月19日木曜日

第12回 ザ・メソード演技訓練の実際



訓練 
センソリー ウォーク 
五感の記憶 
カガミ


目をつぶって、2.3回右に左に身体を旋回させると、全く方向感覚を失い、身動きがとれなくなります。

という事は、人間は日々の8.90パーセントを目に頼って生活しています。


人々は、人生で出会った色々なものを記憶しています。
(両親、友人、恋人、思い出の場所、景色等)
その頭で記憶された映像を目の前に置くことを俳優は要求されます。

殆どの俳優は、見えてないのに嘘をつく。
今日はいい天気だとか、星空が綺麗だとか、
青い海、白い雲、眩しい太陽、満開の桜並木、紅葉の美しさ等々です。

誰でも、頭では思い浮かべることができますが、俳優はその頭で思い浮かべたものを目の前に置く必要があります。

それが想像の世界に一歩足を踏み入れることになるのです。

それを人の前で、カメラの前で毎回繰り返し信じることを俳優は要求されます。


想像された人物、風景、出来事をあたかも、現実の世界のように信じることによって、俳優芸術は誕生します。

acting is believing』と言われる所以です。


今回は頭で思い出された景色、人物等を目の前に置く訓練をします


つまり視覚の記憶の訓練です。


まず始めに、自分の顔を目の前に置いて見ましょう。


つまり、目の前に置かれた想像の鏡に自分の顔を映し出すのです。


想像の鏡ですから、自分の顔が、見えたり消えたりします。


女性は、メイキャップをしながら、男性は髭を剃りながら。


出来させようとすると、この五感のエクササイズは、成立しません


出来ても出来なくてもいいやと結果を求めないで「ああ、面白かった!」と終わることが、必要です。


文章で五感の記憶の訓練を説明するとマドロシクなりますが、実際にガイドすると生徒たちは納得します。

想像の世界に入り込むために、なぜ五感の訓練が必要必要なのか、自分で自分に問う事が大切です。


得意、不得意はあるでしょうが、全ての事は、あなたの中にプログラムされています。

教師は教える事は出来ません。

あなたの持っているものに気がつかせるのが仕事ですから。


ZEN