2018年7月29日日曜日

第15回 ザ・メソード演技訓練の実際


訓練
センソリーヲーク
五感の記憶
聴覚


五感の記憶、聴覚の訓練は僕が一番苦手とするカテゴリーだ。

幼少の頃、中耳炎を患って、この数年来は補聴器に頼っている。

そのせいか、両親や兄弟、友人や生徒の声色や話し方を思い出すのが難しい。

そこで、それぞれが俳優として聴覚を養うにはどの様な方法を取れば良いか、試行錯誤した。

そして、結論に達した方法を見つけたと確信した。

その具体的なアプローチは、テレビの前にどんと座って登場する人物、それが男であれ女であれ、老人であれ子供であれ、即モノマネをして声に出す。

身振りもソックリ真似るといい。

めんどくさい事を考えずに夢中になって続けてみよう。

一年も続ければ、その道のエキスパートになる。

なんの仕事でもそうだが、その道で大成する人は、これぞと思うことに狙いを定めたら、脇目も振らず、そのことに情熱を注ぎ込む。



芸ごとを仕込むために、優れた猿を見つける方法があると云われる。

多数の猿達に、オモチャを与える。

次に別のオモチャを与える。

みんな新しいおもちゃに飛びつき、又、新しいおもちゃを与える。

みんなそれに飛びつく。

しかし、一匹だけ最初のオモチャに興味を持って、他のオモチャには見向きもしない猿がいる。


アル ・パチーノが、まだ無名の頃、アクターズ スタジオで、ステージに出て来て、テーブルの上に火のついたローソクを一本たて、ユックリと手をかざした。

それ以外に何もやらない。

又、次の週にも同じ事を繰り返す、次の週も.....

メンバー達は皆、
「アルは何をやっているんだ、止めればいいのに!」
と言っていた。

暫くして、彼は、ブロードウェイで絶賛された演技を毎晩の様に披露していった。



今回の課題の五感の記憶、聴覚をテレビの登場人物を無条件に身振り、声、表情をゲーム感覚で徹底して真似することによって、老若男女、いろいろな役を演じる時に抵抗なく入っていけると思う。

対象は何であれ、これぞといったものを見つけたら、真っしぐらに突き進んでみよう。

僕自身 、教師を目指して10年間、一 回も休まずに 恩師リー ・ストラスバーグのもと、[センソリーウォーク  五感の記憶)]の習得に励んだ。


ZEN