2018年7月23日月曜日

第13回 ザ・メソード演技訓練の実際

訓練
センソリー・ウォーク
五感の記憶
太陽


最近、マーロン/・ブランドのドキュメンタリーを立て続けに5,6回繰り返して見た。

アル・パチーノを始めとして全てのトップクラスの俳優たちが、マーロン・ブランドの才能に驚きと敬意を顕にしている。

ストラスバーグは、彼程速くメソードアクティングを習得した者はいないと言っていた。

しかし、ストラスバーグは彼を名優だと言っていない。

名優になる可能性は、有ったと。

ストラスバーグは今世紀初頭の名優、エレノーラ・ドゥーザ、グラソウ等を実際に見て体験しているからだ。

当時の時代が時代で、テレビも、映画も無く毎晩舞台に立たなければ、ギャラが貰えなかった。

現代は、スターが一本の映画に出れば一生暮らしていけるギャラがもらえる。

名優が出る筈がない。

では、なぜ、この様なリラックス、注意の集中、五感の記憶、感情の記憶を我々は訓練する必要があるのだろうか?

それは、名優達の持っていた偉大な能力に一歩でも、半歩でも近づきたいと願うからであると僕は思っている。

ストラスバーグは言っている。

「訓練の大切さは、私がそれを初めて知った1924年当時、既に明白だったが、それ以後、長年にわたって、研究と体験を重ねていくうちに、ますます、その重要性を実感している」
と。

今回の五感の記憶、太陽のアプローチは、先ず、リラックスから初めて、体の一点に注意を集中して、太陽の光の暖かさ、暑さを肌で実感する様にする。

一ヶ所が出来たら次の箇所に移り、出来たら又、次の箇所に移り、体全体に広げていく。

どのエクササイズにも共通だが、出来させようとしないこと。

出来ても、出来なくてもいいや、とにかくやってみよう
と言う心構えが大切。








太陽のセンソリーの訓練について


先ず、最初に、自分が一番感じやすいところから始める。

右頬なら右頬の一点にに注意を持っていく。

その決めたスポットをゆっくりと、上下左右ゆっくりと動かしながらそこに注意を集中して 太陽の強い日差しを肌で思い出す様にする。

感じたら感じただけ、声にして外に出す。

声は胸から、感じている間だけ、バイブレーションを入れて、平均的な声を出す。

いつも常に身体全体のリラックスに注意を促す。

カラダは広げる、ズラす、緩める。

頭で考えない。肌で考える。

だいたいこれでいいなと思ったら、次の体の箇所に注意を向ける。

強い日差しを肌で思い出す。

実感する。

この様にして、前の場所に行ったりきたりして、又、新たな場所に注意を向けて体全体に陽の光のセンセイションを体験すると酔いしれた様になる。

太陽の強い日差しを浴びた振りをするのではなくて、我々は体験の芸術、強い日射しを肌で感じ体験する。

想像のの世界に浸りこみ、酔いしれるのだ。

太陽のないところに太陽の日差しに酔いしれて立ち上がる。

それが、俳優の誕生だ!!

ZEN