2018年1月19日金曜日

第54回 『神との会話』に魅せられて



今日は、この場をお借りして、身勝手な事を書かせて頂きたいと思っている。

僕はTVで、スポーツを観るのが好きだ。


まずは、相撲、白鵬。

僕にとって勝ち負けはどちらでも良い。

裸に帯一本のまわしをつけ、仕切り前に座し、相手と向き合う彼の一瞬の眼つき、その眼つきの中に双葉山、大鵬と、面々と引き継がれている日本人の魂の美しさ、崇高さを視る。

はるばるモンゴルからやって来て、日本人が忘れかけている礼節の尊さを引き継いでくれている事に、心より感謝と感動を覚える。


次は、スキージャンプ。

高梨選手。

より高く、より遠くへ飛翔したいという人間の魂のもつ根源的な要求を、我々に開示してくれているように思える。

スポンサーに諛う選手が多い中、自分の魂と向き合って、若い命を燃やしている。

是非勝ち続けて欲しいと願っている。

たとえ、負けてもあなたは、人生の勝者だ。

あなたは、自分の全てを投げ出して飛翔しようと努力している。

僕は、とてもあなたを愛しています。


次は、アイススケート。

日本から優秀な選手が続出している。

前回の宮原知子選手のスケーティングングには驚かされた。

心の深くに秘められた強い思い(魂)を喜びとともにスケーティングしていた事だ。

このような表現をするとは、全く思いもよらなかった。

感動を与えられた。

彼女はアーチストだ。

日本には、浅田真央、羽生結弦、宇野昌磨、宮原知子。

この四人は、自分が意識しているかは、別として強く魂の表現を望んでいる芸術家だ。

アイススケーティングは、氷の上を滑空するという、人々の幻想を掻き立て、美的感動を与えるという特殊なスポーツだ。

採点などを気にしないで、四人で芸術のために、競争心やエゴを棄てて、一体となってジョイントリサイタルを開ければスバラシイと思っている。

4回転など、失敗を気にしないで、転んだ後も、美しく構成して立ち上がり、(苦境から立ち上がる姿は、人々に大きな感動を与える)自分の魂を表現する。

 自分自身の芸術だから、他者と一切比較しない。

 あなたは、神と観客に生きている喜びと、感謝を捧げる。

スケート界の内部の事情は知らないが、世の為、人の為、自分の為に是非、若い命を燃やしている今、実現して欲しいと願っている。

各々の選手を支えてくれた人たち、そしてあなたを愛してくれている観客に、スケーティングアーティストとして、感謝と感動を与えて欲しと、心より願っている。


次は柔道。

闘志を秘めた身体に純白の上下、黒い帯をキリッと締めたいでたちに、どんなファッションデザイナーも敵わない。

柔道大国のフランス人が憧れるのも当然だ。

日々の練習の中、あるいは戦いの中で切磋琢磨しあう相手がいて、初めて自分自身を高めることができる。

その為に相手に敬意を表して、お辞儀をする。

武道の一流選手にこの礼節がある。

山下選手のオリンピック決勝戦に、なんの自意識も、もたずに足を引きずり決戦に臨む姿に感動した。

そして、「会場が異様な静寂に包まれる中、へーシングの勝利に歓喜したオランダ人スタッフは、 土足で畳にあがろうとした。しかしへーシングは、それを手で制止して畳にあげさせなかった。へーシングは、まさに【礼に始まり礼に終わる】という柔道の精神を持っ た、真の柔道家であったのです。 この行動からヘーシングは注目をあび、日本人は もちろん世界中から尊敬される存在となりました。」(目撃者談)

柔道の始祖、嘉納治五郎の教え。

【柔道の目的は、身体を鍛練して強健にし、精神の修養につとめて人格の完成をはかり、社会に貢献することである。】と示されている。


世界が注目する日本人の美徳は、礼節を重んじることにある。


僕はニューヨークに長年、住んでいたので、アメリカ人の気質を知っていますが、オープンで気軽に話しかけて来る。

ホテルのエレベーターに入って来て、見知らぬ人に気軽にグッモー二ングと声をかけて来るのがアメリカ人。

現代の日本の若者たちに伝えたいのは、アメリカ人のオープンさ(アメリカンナイズ)を学ぶことはよいことだが、日本人の世界が認める美徳、真の礼儀正しさ、相手に対する真の感謝の思いを忘れないで欲しいと願っている。


「我々は嘘をつく事は出来ない。その人の目を見ればわかる。目は魂の窓と云われるから。」
『神との対話』より。

 ZEN

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