2019年9月13日金曜日

センソリーウォーク №2

~五感の記憶の訓練を後世に残す~
№2


「五感の記憶が真の演技に導く」

多くの俳優が具体的な演技術を持っていない。

例えば強い痛み激痛だ。

それも、俳優は決められた時間と場所で毎回起こす必要がある。

(痛いふりは誰でもできる)

具体的な話になるが、
僕は、アクタースタジオで 、激痛のエクササイズを公開したことがある。

スタジオではエクササイズは禁止。

僕は、ストラスバーグの訓練の素晴らしさをメンバーたちにデモンストレーションし、刺激したいと思って、五感の記憶、強い痛みのエクササイズをストラスバーグの特別の許可を得てデモンストレーションした。

この強い痛みは、現実に体験したのと同等のレベルまでに持ってくことを要求される。

自分で、何回も訓練を重ねたので自信はあった。

当日、大勢のメンバーを前にして痛みのエクササイズに入った。

僕は、小学校5,6年の頃家を焼かれ、田舎の小学校に疎開していた頃、休み時間に台潰しとゆうゲームがあって、栄養失調でヒョロヒョロの僕の体をめがけて3,4人の田舎の屈強な男たちが、僕をめがけて飛び乗って来た。

右足の骨を折って崩れ堕ちた。

教師が駆けつけてきて
「平野大丈夫か!」
と叫んだ。

僕は当時の軍隊式の訓練を受けていたので立ち上がって、
「大丈夫です」
と敬礼し、ぶっ倒れた。

あの強烈な痛みは体のどこかに記憶されている。

人間には五感の記憶がある。

一旦その痛みはを肌で思い出せば、強烈な痛みを再体験でき舞台で体験の芸術を表現できる。

又、その痛みを必要に応じて、体のどの部分にも移行して使える事が出来る。

スタジオでの当日は、舞台に上がってからスタートさせたので(エクササイズのアプローチを見せるために)10分ほどかかったが、当時経験した強烈な痛みがやってきた。

本番では最初から傷みをこしらえておいて、必要になった瞬間、必要な場所に手を当てて、解き放てばいい。

(殆どの俳優は痛いふりをする)

映画で、一つ僕にとって、強い印象に残っている場面がある。

なんの映画か覚えていないが、マーロン・ブランドが、こぶしを潰され真夜中に一人桶に水を張ってこぶしを浸し、じーっと痛みに耐えていた場面が僕の脳裏に焼き付いている。

僅か数秒の場面だったが、五感の記憶の強い痛み訓練によって、彼のレベルに到達できると確信している。

この痛みを含めて、俳優訓練としてストラスバーグが確立したセンソリーウォークを後世に伝えたいと決心している。

17・8あるセンソリーウォーク(五感の記憶)を実際に生徒を参加させ
一年かけて生徒の成長過程をビデオに撮って、プロブェッショナルな作品に仕上げ、まず、アメリカで販売したいと思っている。

ZEN HIRANO