2019年9月14日土曜日

センソリーウォーク №3

~五感の記憶の訓練を後世に残す~
№3


例えば、自分の部屋は誰でも思い出せる。

部屋の広さ、床にはどんな絨毯が敷いてあって、どんな家具が置いてあって、窓の位置 、大きさ、そして、その窓から、いつも何が見えるか、テレビや電気スタンド、壁に掛けられた絵、等々誰でも思い浮かべる事が出来る。

頭では・・・


その頭で思い浮かべたものを「目の前に置く」のが、俳優にとって、自分以外に誰もいない「公開の孤独」と言われる最重要な技術の一つです。

楽器、歌手、ダンサー、スポーツの分野でミスすれば、たちどころにわかり嘘をつけない。

俳優は、ごまかしが効く。

嘘をつく。

愛してもいないのに「愛してる」と言い、パニックになっているのに平静な顔を装う。

つまりごまかしが効く。

多くの俳優たちは、カメラや観客の前に立つと緊張する。

やるべき事に注意を集中できない。

その結果、大袈裟な身振りをしたり、丸暗記したセリフをさも感じているように口にする。

そこで、俳優は観客の視線からフリーになる必要がある。

歌舞伎俳優のように、毎日、舞台に立って、5,6年するとリラックスするかもしれない。

我々は、訓練によって短時間にこの問題を解決する事が出来る。

スタニスラフスキーが、公開の孤独、ストラスバーグが、プライベート・モーメントと言っているアプローチです。

ストラスバーグは、人が他人の目を気にしないのは何処だろうと考えた。

自分の部屋に一人でいる時だ。

自分の部屋は、だれでも簡単に思い出せる。

その思い出したものを、頭の中のイメージを目の前に置いてみよう。

このプライベート ・モーメントと感情の記憶の二つの訓練は、ストラスバーグが考案した最重要訓練だと確信している。

次回は、僕が この訓練をマスターしたことで、何が起こったかをお伝えしたいと思っている。

ZEN HIRANO