~五感の記憶の訓練を後世に残す~
№3
例えば、自分の部屋は誰でも思い出せる。
部屋の広さ、床にはどんな絨毯が敷いてあって、どんな家具が置いてあって、窓の位置 、大きさ、そして、その窓から、いつも何が見えるか、テレビや電気スタンド、壁に掛けられた絵、等々誰でも思い浮かべる事が出来る。
頭では・・・
部屋の広さ、床にはどんな絨毯が敷いてあって、どんな家具が置いてあって、窓の位置 、大きさ、そして、その窓から、いつも何が見えるか、テレビや電気スタンド、壁に掛けられた絵、等々誰でも思い浮かべる事が出来る。
頭では・・・
その頭で思い浮かべたものを「目の前に置く」のが、俳優にとって、自分以外に誰もいない「公開の孤独」と言われる最重要な技術の一つです。
楽器、歌手、ダンサー、スポーツの分野でミスすれば、たちどころにわかり嘘をつけない。
俳優は、ごまかしが効く。
嘘をつく。
愛してもいないのに「愛してる」と言い、パニックになっているのに平静な顔を装う。
つまりごまかしが効く。
多くの俳優たちは、カメラや観客の前に立つと緊張する。
やるべき事に注意を集中できない。
その結果、大袈裟な身振りをしたり、丸暗記したセリフをさも感じているように口にする。
そこで、俳優は観客の視線からフリーになる必要がある。
歌舞伎俳優のように、毎日、舞台に立って、5,6年するとリラックスするかもしれない。
我々は、訓練によって短時間にこの問題を解決する事が出来る。
スタニスラフスキーが、公開の孤独、ストラスバーグが、プライベート・モーメントと言っているアプローチです。
ストラスバーグは、人が他人の目を気にしないのは何処だろうと考えた。
自分の部屋に一人でいる時だ。
自分の部屋は、だれでも簡単に思い出せる。
その思い出したものを、頭の中のイメージを目の前に置いてみよう。
このプライベート ・モーメントと感情の記憶の二つの訓練は、ストラスバーグが考案した最重要訓練だと確信している。
次回は、僕が この訓練をマスターしたことで、何が起こったかをお伝えしたいと思っている。
ZEN HIRANO
ZEN HIRANO