2019年4月23日火曜日

長期合宿クラス レポート 4月5日

ゼン・ヒラノ先生、
ミユキ先生の今日の教え


 「セリフは覚えて忘れろ!!」
今日はこんな矛盾している言葉を聞いた。せっかく一生懸命覚えたのに忘れたら意味ないじゃん!! 誰しもがそう思うだろう。この言葉の伝えたいことはセリフは人間の言葉ではなく、書かれた言葉だと認識すること。覚えて次のセリフを頭の中で考えているから役を生きられないということだ。現実で話し相手の言葉を予測して次に自分の言葉を考える人はいない。なら、どうすればいいのか。それは相手のセリフで瞬時に次の自分のセリフを思い出す。役に入り込まないと観客に伝わないのだ。そのために訓練する。
「俳優はエンターテイナーである。人々を喜ばせる仕事」
この言葉はまさに全俳優の教訓である。たとえ名優になっても変わらない。むしろ、名優こそ人々を喜ばせている。 演技力をつけるのはとても大変なこと。何十年もかかる。今の私には若さしかない。その若さを活かしてなんでもやり、人を喜ばせる精神が大切なのだ。自分と会った人を喜ばせることに全力を尽くす。嘘ではなく、相手の良いところを見つけて褒める。これを実行するのも大変だ。常に意識してその精神を持つことが重要である。やるだけやったら必ず人生の役に立つ。
夜の訓練では、ミユキ先生から様々なお話をしていただいた。
「人間であることは素晴らしい」
この言葉は全世界の人々の価値観をひっくり返す力がある。自分が存在して何の問題もなく、生活していることがどれだけ素晴らしいことであるかを学んだ。他人と比べて自分を卑下したり気にしたりすることが人間なら誰しもある。だが、世の中に良い悪いはない。それは一人一人が勝手に決めつけているだけである。だから、本来人間は比べることはできないし、何も出来ない持ってないと思ってもそこに存在しているだけで凄いこと。だから、今のままの自分で良いということ。自分の価値を量で計ることは出来ない。
また、俳優としては観客が1番であるということ。俳優は観客がいないと意味がない。顔が綺麗な人は顔で観客を喜ばせればいい。芸人なら芸で観客を喜ばせればいい。俳優は演技で客を喜ばせなければいけない。演技力がないなら裸になって踊って逆立ちすればいい。そうすると観客は喜ぶだろう。そうすることで自分も嬉しいし、観客も嬉しくなり素敵な時間になる。
ミユキ先生の女優としてだけでなく、人として大切にしていることがわかった稽古だった。