2018年12月1日土曜日

インプロビゼーション 即興について

若き俳優たちへの提言


インプロビゼーション
即興について


ザ・アクターズスタジオ
正会員
ゼン・ヒラノ

アクターズスタジオのクラスで、戯曲の一場面を演じる時に、誰一人台詞どうりに演じたりしない。

まず第一に、戯曲の内容について、何が書かれているのか?  場所はどんなところか? (場所ができ、信じられれば演技は必ず成功するとバフタンコフが言っている)  その場所で何が起きているのか、自分が演じる役の性格、動作、癖、相手との人間関係を体験するために即興的に演技してみる。

つまり、誰が?いつ?何処で?何を?如何にしたか?を確かめ、体験するために場面を進めていく。

これらのことを模索しながらドラマを進めていく。


人間は日常生活で、言葉を口にする時、必ず考えて言葉にする。

多くの俳優は台詞の記憶を言葉にする。

だから生きられない。

台詞は覚えて忘れろと言われる。

人生と同じく、俳優は台詞を考えた結果言えれば、生きられる。


もし、あなたが「宝くじで一千万円当たったら何を買う?」と聞かれたら考える。

僕だったら、マツダのオープンカー(500万円)を買って東北の紅葉を観に行く。
たまには、あちこちの、上級の温泉旅館にノンビリと泊まってココロとカラダをを癒す。
その前に借金を返す。等々

もし、二度目に同じ事を聞かれたたら、上記に述べた記憶を話す。

改めて考えたりしない 。

何回もリハーサルして記憶された台詞を初めて質問されたように、改めて考えられれば、生きられる。

台詞は覚えて忘れろと言われる。


何度、同じ場面を演じても、リハーサルは無かった、今初めて聞いたと言う感覚が無かったら、アカデミー賞は貰えないし、舞台でドキドキと想像の世界に生きている俳優の至高の喜びを体験することは出来ない。

Illusion of the First Time
と言う有名な言葉がある。

リハーサルは無かった。
今初めて、ものごとは刻々と目の前で、起きていると言う感覚である。


これまでに、演技についていろいろ説明してきた。

スタニスラフスキー、ストラスバーグを通して培われたメソード演技を、もし、あなたが、自分たちのアプローチの方が、優れていると主張するなら、いつでも、あなたのグループの一番の俳優を舞台で演じさせ、見せてほしい。

そしたら、我々の訓練による俳優を対抗させメソードアクターの卓越性をいつでも証明出来ると確信している。

ZEN