2021年3月1日月曜日

俳優を目指す若者たちに

俳優を目指す若者達の多くが、

どれがいい演技か、わからない人が多い。


マーロン・ブランドが出始めた頃、

多くの教師や俳優達が

「あれは、地で行ってる」

とか言って、

彼の卓越した演技力を認められなかった人達が多かった。


(現在、故マーロン・ブランドを超す俳優は誰1人いない。)



「なんでも鑑定団」とか言うTV番組がある。


出品者は100万円と予想した品物が

3万円だとと言われたりする。



多くの俳優達は、

本物の演技か、偽物の演技か区別がつかない。


一流の俳優達は、自分自身の真実に対する感覚が鋭い。


みんなが、ブラボーと拍手するが、

じっと考えて、もう一度撮り直してくれと要求したりする。


多くの俳優達は、偽物を摑まされて、喜んでいるかも知れない。


骨董屋に丁稚奉公にいくと、

主人は本人に超一流のものしか見せないと言われる。


偽物を摑まされたら商売にならない。


僕の提言は、

あなた達俳優は、

真実に対する感覚を養う為に、

アカデミー賞の男優賞、女優賞のみの演技を見て、

他の演技は無視する事だと思っている。


1年間続けたら、

真実に対する感覚が養われ、

偽物を摑まされて喜んだりする事がなくなる。



俳優訓練とは、

この真実に対する感覚感覚をより高いレベルに磨き上げる仕事だ。


たとえ、あなたが俳優にならなくても、

この真実に対する感覚は、

あなたの人生を豊かにすると確信している。


現場で、OKが出たと喜んでいたら、

俳優芸術の、想像の世界に生きる喜びは体験できない。


若き俳優達に伝えたい事は山ほどあるが、

僕の、右手の中指でキーボードを打っていては限界がある。









NY ザ アクターズ・スタジオ

正会員

ZEN  HIRANO