2019年8月17日土曜日

20年前のゼミ生からのメッセージ

ゼン先生へ

いつも気にかけて頂きありがとうございます。...

今、月に一回、お会いできる機会を作って頂き、心から感謝しています。


ゼミに通い始めた頃の私は自信がなく、警戒心が強く、別に友達なんていらないし、、と虚勢を張って、そのくせ心の奥底では嫌われたくないと不自然な明るさでぐちゃぐちゃでした。

自分の魂と表面が混沌とした状態で、偽りの自分に自分で気づかずSOSを出しまくっていたのだと思います。

『あんたは、あんたのまんまで良い!』


その言葉に救われ、気がついたら泣いていました。


それ程、気付かない内に自己否定していたんですね。

表面的な明るさにメスを入れ、全ての感情にokを出す。


エクササイズやシチュエーションを通して沢山の事に気づきました。

ゼン先生に出会っていなければ、今の幸せはありません。感謝です!


100億でも寄付したいです😁

でも、そんなに持ってないので、クラスに参加します😁


今後ともよろしくお願いします!


愛と、感謝を込めて。


Y.O


我々俳優はエンターティナー


スタニスラフスキーは言っている。

「我々俳優は、まず初めにエンターテーナーだと心すべき」
だと。

特に若い人たちは、若さが売り物。
明るく生き生きと生命力に溢れていて、あなたがやって来ると、場が明るくなるよう努めるべきだと思う。

自分がどう思われるかなんてもってのほか

若さいっぱい、自意識フリーの美しい歩き方、ほほ笑み、人々に対する気配り、思いやり、相手が誰であっても、あなたに会えて嬉しいと言う自己の感情を高め、その感情が、常に相手に伝わるよう鏡に向かって訓練しよう。

鏡に映った自分が、自分を喜ばせるまでに。

自分がどう思われるかなどに関わらないで、人々を喜ばせることに努めよう。

あなたは若さが売り物、明るさ生き生きさが、あなたのキャリアを築いていく。

若々しく自然で美しい態度、隅々まで神経の行き届いた思いやり。

あなたは、
「俳優」
そして
「エンターテーナー」



ZEN

2019年7月26日金曜日

アクターズスタジオ オーディション







人間は、死力を尽し全力でなにかに立ち向かった時、神からの授けものインスピレーションがやって来るのだと思う。


インスピレーションと云えば、私ごとになるが、昔ニューヨークに住んでいた頃の話。
ザ・アクターズスタジオのオフィスから、最終試験を受けるように言われた。
(最終試験に招待される俳優は滅多になく、スタジオの永い歴史上、合格したのは二人だけだと言われる)
普通最終試験にたどり着くのに4,5年掛かるのに、冗談でなく試験日の3日前。
(これまでに、スタジオで演出と演技を評価されたのが要因だと思う。当時、年間1,000人以上の受験者の内、最終試験の合格者は1人か2人)
YES、と言って、今、考えると無謀にも一歩前に出た。


相手役には、当時の雑誌の表紙に、彼女の美しさは心の美しさと紹介された北欧の美人アルバが、協力してくれた。
(スタジオには美人が少ない。一切容姿で取らないから。マリリン・モンローとアルバは例外。)
3日間のリハーサルは無残。
何1つ掴めないまま過ぎてしまった。


当日、僕は、不安から試験の5、6時間前に行ってしまい、スタジオの片隅でジット蹲っていた。


アルバが巫女のように僕の前に立ちはばかり、興奮した他の俳優達が僕に話し掛けるのを防いでくれた。


無味乾燥な時間が刻々と過ぎて行った。


徹底して追い詰められた。苦しかった。

その時ふと、ある考えが浮かんだ。


僕は、何故、ここで、こんなに苦しんで待っているのだろう。
勿論試験を受ける為だ。
しかし、僕の演じる役は、何故、こんなに苦しんで待っているのだろう?と。

そこから、想像力に火がついた。


(僕が、演じる役は、映画『さよなら』からの歌舞伎俳優の役だ。)


役の世界に入り込んで、自分と役がひとつになって行った。

役、つまり僕は、先週、これが芸術のあるべき真の姿だと確信して新しい形を舞台で表現した。
上司達は其れが気に入らなかったらしい。
今日は給料日、上司は(審査員)は、一人一人名前を呼び、呼ばれた者は、2階のホールに上がって行く。
ほおら、又一人降りてきて,また一人呼ばれて上に上がっていく。
僕は幹部俳優なのを知っているのに、彼らは延々と僕を待たしている。
3時間も、4時間もだ!
役の人間としても、僕自身としても、こんな所に1分も居られない。
ドアーを蹴破って出ていって二度と戻る気はない!
しかし、妻が病気で入院している。
今日どうしてもお金を持っていかなければ!



僕の想像力は、高く、遠く羽ばたいていった。


その当時までには、かなりの演技力を体得していて、一生に一度か二度しか体験した事のない、深い悲しみの感情を、意識的にこの場で起させることが、出来るようになっていた。
その事件に集中し始めると、直ぐさま強烈な感情がやってきた。


(前々からストラスバーグに、ゼンは非常に強い感情を持っていると、指摘されていた。僕が怒りを爆発させると、7、8人の屈強な男たちが舞台の外へ逃げて行くのを何度も経験した。不思議に思った。俳優は命なんか要らないやと思わなければ相手を動かせないと思っている。)


その感情を確かめる為に、ふっと息を吐くと胸が焼け、ドラゴンが火を噴いているようだ。

普通このような激情をキープできるのは15分だと言われる。
しかし、僕の名前が呼ばれるまで、30分以上待たなければならない。
苦しかった。感情が消えてしまわないようじっと耐えつづけた。

名前を呼ばれ階段を駆け上がった。


「ゼン・ヒラノ」と叫んだのを今も記憶している。


想像のドアを両手で横に押しひらくとニューヨークの僕のアパートの黄色味がかった床がみえた。


(プライベイト モーメントと云う訓練のお陰で、自分以外に誰もいないと云う感覚がやってきた。)


ドアを閉めた。
自分の部屋で一人きりになった。

この数時間、胸に溜め込んだ怒り、悲しみ、挫折感を着ているものを剥ぎ取って床に叩きつけて、叫び声と共に、一気に吐き出した。


腸のあたりに激痛が走って、体が静かに床に沈んでいった。
(この痛みはその後一週間続いた。)
あゝ、これで、試験は終わったなと静かに思った。



その時、スタニスラフスキーの言葉を思い出した。
「舞台は演ずるために行くのではない。戦うために行くのだと。」

また、ストラスバーグは、
「怖いと思ったら一歩前にでろ!  それがゴーサインだ。」
と。



痛みに耐え全身の力を込めてユックリと立ち上がった。

天が与えてくれたインスピレーションの大波の真っ只中に身を置いていた。
たとえ一万人の競争相手がいたとしても僕がトップだと確信した。

このようなインスピレーションがやってくると、不思議な意識の分裂を経験する。
夢中になって演技している役の自分と、それを何処か高いところで見守っている自分がいる。
後者の自分が
「ゼン・お前のダンスで鍛えた美しい身体を使って、想像した鏡の前に立ち、ダイナミックなポーズを見せてやれ!  これがアートだ叫んで審査員達を喜ばせてやれ!  彼等は芸術が大好きだから。」


「次は机の所に飛んで行け。拳を固めて叩いて挫折感を演じろ。彼等は又、採点するぞ。」
と。



俳優の自分は、全力をあげて、役の人生を誠実に、真剣に生きているのに。

挫折してぶざまに、醜態をさらけ出し、ボロボロになった男を、いつのまにか、戸口に立った北欧の美女が静かにジーとこちらを見ている。
又、審査員の同情を買って採点されている。涙を誤魔化す為、隈取り用のハンカチを探したが、係りが、置き場所間違えた為、僕は必死になって探した。


舞台で実生活と同じレベルで行動できるのは稀なる幸運だ。
又、採点される。
夢中に役を演じながら同時にどこで採点されるかをすべて知っていた。
「ゼン、サンキュー」の声がして演技を終えた。

十数人あまりの審査員が、こちらを見ている。


戦いは終わった。何か、とめどなく悲しい気持ちがした。



オーディションは二度と受けないと思った。


待合室に降りて行くと、二人ほど審査員が興奮気味に駆け下りてきて、
「もう少し待っていれば、ストラスバーグから直接話があるだろう」
と言われた。



しかし、荷物をまとめ、何か、もの悲しい気持ちで、ひとり暗闇のニューヨークの街に消えて行ったことを記憶している。




そして、僕は教師の道を選んだ。



いま、考えるとメンバーになったことで、大きく人生の方向が変わって行った。



怖いとと思ったら一歩前に出よう! 


それがGOサインだ。それがあなたの人生を変える。





ZEN

2019年4月23日火曜日

質問に答えて

ゼン先生

 最近、僕の課題の1つでもあります集中について研究と考察をしています。
そこでメソード演技に関する書物をいくつか読んでいるのですが、その中に集中を訓練する練習法を試しているのですが、ゼン先生に意見をお伺いしてみたいと思っています。
練習の内容とは、
ある一定の時間(例えば30秒)のあいだ、スタンド、絵、椅子、机などのありふれた物をじっと観察する。それからその物を見ないで、その色や形、特徴などを、できるだけくわしく説明する。椅子の色、外形、木材の種類、構造、組み立てに用いられた材料、はては、それにまつわる歴史にまで気づくようになったら、次に観察の時間を短縮していくというものです。...
僕自身試している段階ですが、集中ということに限れば全く意味の無いものでは無いと感じてはいます。ゼン先生の意見をお聞かせ頂ければと思っています。宜しくお願い致します。



「上記の質問に答えて」
ゼン・ヒラノ

どんなエクササイズも気になるものがあったらやってみたらいい。

やってみて自分にとって役に立たたなかったらやめればいい。

 俳優の訓練の重要な課題は頭で想像されたものを目の前に置くことだ。

舞台に立って「ここはあなたの部屋ですよ。」と言われて信じることができるだろうか?

 頭では簡単に自分の部屋を想像できるが、できたかどうか実感したかったら、人前では絶対にやらないことをやってみたらいい。恥ずかしいと思ったらできていない事になる。

 演技とは信じる事だと言われる。

 僕は五感の記憶を徹底して訓練する事によって達成可能だと信じている。

10回のうち9回出来なければプロといえない。


ZEN



 

短期合宿クラス見学レポート

長期コミュニティー生
私は今回の合宿は記録係として参加させてもらった。本来はコミュニティ生の私は短期合宿に参加することはできない。土日は訓練が休みであり、何より今回の合宿はワズさんとアサヒさんの時間だからだ。そういった状況の中で、私も同じ空間に入ることを快く許可し てくださったワズさんとアサヒさんに感謝します。そして、記録係という肩書きで私の成長も考えて参加を提案してくださったゼン先生に感謝します。
...
いつもは毎日自分が主観となって訓練をしているので、他の人が訓練をしているのを見るのは新鮮であり、刺激的だった。ワズさんは力強さが素晴らしかった。ダイナミックでおおらかであった。何より想像の世界に入る自分を迷わず信じていた。アサヒさんはとても繊細で想像力が豊かだった。その想像力ゆえに自分をコントロールできないなんて私から言わせればなんて羨ましい悩みだろうと思ってしまうほど素晴らしかった。そんな2人から私も刺激をもらい、盗めるものは全て盗むつもりだった。ゼン先生が2人を指導している時に私にも共通する修正点がたくさんあった。私に言われてると感じるほど多くあった。

お風呂の時間にワズさんと楽しく一緒に入った。お湯に浸かりながら演技やプライベートのことをたくさん話した。その時間は私にとってとても素敵な時間になった。自分の好きなことを話し、共感し合える喜びを感じた。

 夜はゼン先生の部屋で私含め3人でアメリカンダンスのオーディション番組を観た。言うまでもなく、ダンサーは素晴らしい。素人の私でも分かるくらい技術のレベルが高かった。だが、ゼン先生が注目したのは審査員の方だった。審査員は一人一人の個性が際立っており、全員意見が違う。たった一言に個性が出る。そして、相手の意見を尊重する。審査員も人間であるからみんな意見が割れる。そんな時も相手を責めずに自分も引かずに意見を言う。審査員も観客を楽しませるように話す。その審査員の中に女優でダンサーの人がいた。その人は子どもような人だった。全てをオープンにして顔の表情で感情が誰でも読み取れるくらいオープンだった。その姿に感銘を受けて私も心の底からそうなりたいと思った。

夜になるとアサヒさんと話す機会があった。アサヒさんとは連絡したこともなかったので、どんな人か気になっていた。話していくうちにお互いに仲を深めていった。私のことを何度も面白いと言ってくれた。それを素直に人に伝えることができるのが素晴らしい。その言葉が私にとってどれだけ嬉しいか本人は知らないだろう。俳優はエンターテイナーだからいつだって人を喜ばせたい。ここ河口湖に来てから私と会った人を全員笑顔にさせたいと思いながら生活している。これからも私はたくさんの人を喜ばせる人になる。

今回の合宿で記録係としてたくさんの気づきがあった。いつもは1人だから仲間と一緒に過ごす喜びを感じることができた。2人に出会えて本当に良かった。いい刺激をもらえてこれからまた一歩ずつ進んでいく。私は毎日成長している。これからもっともっと天井を突き抜けて宇宙に行くくらい成長してみせる。その姿を2人に見せるのを楽しみにしている。最後に冒頭にも書いたが、今回の合宿で記録係として参加することを許可してくれた2人に感謝しています。そして、何より参加を提案してくださったゼン先生に心より感謝をしています。

長期合宿クラス レポート 4月12日

ゼンヒラノ先生
ミユキ先生
今日の教え

 成長は神の存在の証。

今日はこの言葉をゼン先生から頂いた。
木が種から大木になるのは神のおかげなのだ。
小さな種が大木になるには、様々な肥料が必要だ。
雨や日差し、土からの栄養など多くある。

ここゼンスタジオもそうなのだ。

人間は既に種を必ず持っている。
それを大木にするのか芽が出ないのかは全て自分次第だ。
そして、肥料を与えてくれるのがゼン先生やミユキ先生だ。
だから、重要なのは自分に種があるということを自覚することだと思う。
そうすればあとは高く大きく育つだけ。

 夜の訓練では、気合いを入れる、タタタンPG、ビッグな動き、4つのクオリティーを順番にした。


形は段々と良くなってきたが、中身がないとミユキ先生に言われた。
本当に自分が感じてないと観客に伝わらない。
逆に言えば、自分が感じているならそれは絶対に観客に伝わるということ。
私はまだ自分で感じることができていない。
感じようと努めているが、観念的になっている。
それは皮膚感覚で身体に染み込ませたい。
身体が覚えると絶対に忘れない。
これにはどうしても時間がかかる。

焦らず、力まず、じっくりと時間をかけてエクササイズに取り組んでいきたい

長期合宿クラス レポート 4月11日

ゼンヒラノ先生、
ミユキ先生の今日の教え

 今日はアルバイトの初日だった。本当に学ぶことが数えきれないくらいある仕事場だと思った。まずは、作業である。飲食店だから昼間に長蛇の列ができる。その時の厨房の忙しさは体験したことがある人は分かるだろう。だから、作業は早く正確にすることに努める。精一杯自分のベストを尽くして作業する。次にお客さんとのコミュニケーションだ。会った時の挨拶、食べ終わった後の感謝など必ずお客さんと関わらなければいけない。そんな時に挨拶に加えて何か一言だけ添えると良いとゼン先生が言った。世の中色んな人がいて自分の思っている反応をしてくれる人は少ない。だが、そんなことを気にしていたら人生もったいない。常に私は成長するんだという気持ちで臨みたい。

  夜の訓練では、自己認識を高めることができた。
自分の動きが全然できていないことに気がついた。自分で感じていないのに観客が感じるわけがない。まずは、自分が感じなければいけない。だが、今日は感じていないことに気づけた。なら、次はどうしたら感じることができるのか。いろいろ試しながら試行錯誤を繰り返す。すると自分は認識と共に成長していることを実感するのだ。