メソード演技の基本訓練
五感の記憶の訓練
「リラックス」
「リラックス」
いよいよ、メソードアクティングの具体的訓練の説明に入る事になった。
しかし、どうしても、先に進めなくなって、感情的になり、目頭が熱くなってくる。
第一課題、リラックスについての師の思い出だ。
演劇の世界で知れ渡った偉大なる教師ストラスバーグが、彼の個人のクラスで、名も無い俳優達のリラックスを調べている。
80歳を過ぎた老体を顧みず、生徒の腕や脚を持ち上げて、一人、一人のリラックスを時間をかけて、真剣に調べている。
俳優の成長に全てを捧げている彼の姿が僕の脳裏に焼き付いて忘れられず、いまも止めなく涙が流れ落ちて来る。
自分の実人生で、偉大なる師に出会えた事を、心から天に感謝している。
リラックスとは何か?
全ての演技訓練の基本中の基本は、心理、身体的に人前でリラックス出来ることだ。
「リラックスとは何かを知りたかったら、緊張とは何かを考えたら良い」
とストラスバーグは言っていた。
とストラスバーグは言っていた。
緊張とは余分な力である。
「不必要なものは、不必要だ」
と。
と。
先ず、椅子に座って身体を広げ、ずらし、緩めてみよう。
自分の身体のどの部分に緊張があるか見つけてみよう。
見つけたら、その部分を前後左右、又は円を描いてにユックリと動かし、リラックスさせよう。
自分で、自分の緊張に気づかない事が多い。
ここで教師の助けが必要となる。
ここで教師の助けが必要となる。
リラックスを進める過程で、何かを感じたら、感じたものを声で外に出そう。
声は、胸からバイブレーションを入れて(感情が伝わり易い)、アップダウンなしの平均的な声(台詞を言うため)心がけよう。
どの職業の分野でも、名人と言われる人はリラックスが卓越していると言われる。
リラックスが卓越したら、集中力を生み出すからだ。
演技訓練の基本は、まず、自分のからだの緊張に、自分で気づき、身体を動かして身体を緩め、それが出来たら、次に体を動かさないで、脳で命令してリラックス出来るよう訓練する。
人前で、体を動かすわけにはいかない。
歌舞伎俳優でも、毎日舞台に出て、リラックス出来るようになるのは、5,6年掛かると聞いている。
我々は、慣れでなくリラックスそのものを訓練する。
リラックス を技術短期間で勝ち取るために。
いくらリハーサルをしても本番で観客の視線に会い、緊張して無残な結果に陥ることが多い。
俳優のみならず、リラックスすることは、にんげん活動の基本だと思っている。
NY ザ アクターズ・スタジオ
正会員
ZEN HIRANO