2020年5月25日月曜日

役になりきる努力と執念


映画
「ガンジー」
「ウィストン・チャーチル」
「リンカーン」
上記の映画は、何度見ても感動し涙する。

それは、映画の物語ではなく、それぞれの俳優が、役になり切ろうとする誠実な努力と執念の凄さだ。

それは俳優冥利に尽きる。

俳優はまず、これらの実在人物の身体的特徴をモノにしなければ観客は納得しない。

俳優はその人物の歩き方、話し方、ジェスチャーをマスターしなければならない。

それだけでなく、役の人物の目を通して世界を見、役の信念、意志、夢や挫折を自分の魂の中に染み込ませなければならない。

この大役を引き受けて、果敢に立ち向かう俳優たちの、我を忘れての努力に、感動と畏敬の念で胸が熱くなる。


上記の3人の俳優は、アカデミー主演男優賞を与えられた。


僕の敬愛する映画監督エリア・カザンが言っていたが、
「演技とは、人間理解だ」
と。

役が目にしたものを、自分の目で確かめ、役の想いを自分の想いとし、役の信念を自分の信念として、想像の世界に我を忘れて酔いしれること。

これらの99パーセント役の世界に入り込む俳優たちの勇気と努力に畏敬の念を覚える。

(想像の世界にとことん入り込んでも、1パーセントの自意識があれば、気狂いにならないと言われる。)

巷の殆どの俳優は、自意識過剰。
我を忘れることはない。

多くの俳優を志す人達は、俳優になりたいのではなく、有名になりたいのだと思うことがある。

「俳優になりたいという欲求は、想像の世界に生きたいという欲求であり、高く舞い上がりたいという欲求だ! 」
とゴードン・クレイグは言っている。


俳優を志す若者たちに、俳優の仕事とは何かを認識する為に、上記の映画を繰り返し観て欲しいと願っている。


NY ザ アクターズ・スタジオ
正会員
ZEN HIRANO