2019年8月23日金曜日

役のアプローチについて





人間は、常に考えた事を話す。

又は、感じた事を話す。

ほとんどの俳優は台本で記憶した事を話す。

それではとてもトップクラスにはなれない。


我々NYアクターズ・スタジオの連中は、台本の読み合わせは殆どやらない。

まず始めに、その戯曲のその一場面で何が起きたかを理解するためにリハーサルをやる。

台本に書かれたセリフは殆ど無視する。

その場面で何が起きたかを理解し、実感するまで徹底して追求する。

(それをインプロビゼーションという。)

実感するまで自分の話し方で進めていく。

その間、その役の性格、考え,、動作、話し方等々を身に付けていく。

それから作家の台本に入る。

セリフは、覚えたら完全に忘れるようにする。

自分のセリフは、相手役のセリフで思い出すことにする。

人生に限りなく近づいて行く努力をする。

相手役が話している時に、次の自分のセリフを思い出そうともがいていたら、とてもトップクラスにはなれない。


考えられれば生きられると言われる。

俳優訓練とは、いわゆる俳優が人間になる事だと言われる。


僕が進める演技の練習は、先ず始めに、自分が、良く知った身近に感じる台本を選んでもらう。

それが出来なかったら、自分の良く知らない生活 シェークスピア、チェーホフばとても無理。

以上はプロの俳優の話をしているので、それとは全く違って、自分たち仲間で みんなで盛り上げて勝手気儘に出し物を決めて、子どもやおばあちゃんを喜ばせるのも素晴らしと思っています。


ZEN