我々アクターズ・スタジオの俳優たちは、誰ひとり、セリフから演技に入る俳優はいない。
誰もが、セリフを言わしめるものを探し求める。
日本のほとんどの俳優は、セリフをそれらしくまくし立てる。
人生では、相手に伝えたいことがあるから、それを言葉にする。
人間は考えたことを言葉にして伝える。
多くの俳優は記憶したセリフをあたかも考えたように記憶を話す。
人は相手に何かを伝えたいから言葉にする。
多くの俳優は、伝えたいことがないのに、あたかも、伝えたいかのように、セリフを口にする。
先ず、俳優として、必要なことは、その役の人間を理解し共感すること。
それを台本に書かれた言葉ではなくまずは、自分の言葉で言ってみる。
役が言いたいことを、相手役に伝えてあげよう。
セリフのみならず、演技についての問題を言葉で説明するのは、とても困難を感じる。
俳優は認識と共に成長すると言われる。
俳優を志すのだったら、スタニスラフスキーの本を読むなり、アカデミー賞をもらった俳優たちの演技を繰り返し観て欲しいと思っている。
ZEN