2019年8月17日土曜日

セリフについて

人生と同じく、セリフを言わしめるものを創れ!
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セリフを読むと俳優になったと思う人が多い。

多くの人がセリフを読むと俳優になった気分なるのかもしれない。

中学校でも卒業すれば、チェーホフでも、シェイクスピアでもセリフを暗記し 、其れらしく演じることができる。

そんなことで俳優にはなれない。

書かれたセリフは、体験を言葉と言う記号を使って表されたものに過ぎない。

日本のほとんどの俳優が其れらしく思いついたように相手の質問にせりふを言う。

実生活では考えたことを口にする。

たとえば、
「昨日の夜なにをたべた?」
と聞かれたとする。

実生活では考えて、思い出して
「ファミレスでハンバーガーを食べた。」
と答える。

日本の殆どの俳優は考えないで、記憶したセリフを如何にも考えたふりをして答える。

「セリフは覚えたら忘れろ」
と言われる。


相手のセリフによって考えて話せと。

「Illusion of first time」
という言葉がある。


「リハーサルはなかった。今初めて耳にした。」

この感覚なしで、近年、アカデミー賞をとった俳優はいない。


多くの指導者や、俳優たちは、この事を理解していない。

アクターズ・スタジオでは、セリフから入る俳優は一人としていない。

セリフを言わしめるものを掴むのが、俳優の仕事だ。

特に、日本のプロだと言われる俳優たちに言いたい。

あなたは相手のセリフに対して、
記憶で答えているのか?
考えて答えているのか? 

 
自分の胸に聞いてみたらいい。


誠実に胸に聞いて考えてみるといい 。

ZEN