2019年8月17日土曜日

役に生きる~セリフの言い回しについて~



日々の生活では、人は相手に考えた事、感じたことを伝えたい為に言葉を口にする。

よって、俳優は役を生きる為には、セリフから推し量って役が考えている事、感じていることを体験しなければならない。

我々の演技方法は、
役に何が起きたかを説明するのではなく、
役に起きたことを体験し表現する方法をとる。

体験の芸術と言われる

アメリカの卓越した演出家エリア・カザンは演技とは人間理解だと言っている。

たとえ、自分が演じる役が殺人者であっても、彼の生い立ち、境遇、性格を徹底的に調べ上げ 、深い共感と同情を手に入れる事によって、その人物の生き様を演じることが出来るようになる。

ここに述べた事は特別なことではない。

俳優によって直感的に理解して直感的に表現するか、時間と労力を注ぎ込んで理解にいたるか である。

深い人間理解なしに良い演技は期待できない。

セリフの言い回しをやめて、そのセリフを言わしめるものを探そう。

ZEN