2019年8月23日金曜日

感情の開放について










恩師ストラスバーグ言っていた。

「我々の演技訓練は、オールドハット(時代遅れ)と言われているかも知れない。しかし、我々の俳優は演劇の本流を泳いでいる」
と。




ストラスバーグは、世界のあらゆる分野に影響を与えた偉大なるスタニスラフスキーシステムを徹底して研究し、当時のアメリカの演劇の世界に活用できるものをピックアップし、具体的に実行に移していった。

現在、若者で、スターを夢見るものは後を立たない。


スターの要素は、多くの場合、美貌と感受性、人を惹きつける強い個性、演技術に対する最大限の努力、そして人間関係をうまく渡りあっていく能力だと思う。


(マリリン・モンローは、彼女の最盛期に一年間仕事を辞めて、アクターズ・スタジオに学びに来た)

俳優の仕事とは、そして俳優の真の喜びとは、役の世界にはまり込んで、想像の世界に生きる事だ。

想像の世界に生きることが大好きだったら、たとえ3,4人でもグループをこしらえ、創作活動を続けることは、素晴らしい事だと思っている。

想像の世界に生きられなかったら、俳優とは言えないし、俳優としての喜びはない。

僕は、俳優訓練の目的を、先ず第一に、今までの社会生活で溜め込んだ不必要な偏見、恐れ、不安を吐き出し、自分自身を子供のように白紙に戻し、自分らしさを取り戻す事だと思って実行している。

( 俳優訓練は、子供になる訓練だと言われる。)

その人が、長年無意識に溜め込んだ否定的な感情(怒り、憎しみ、嫉妬心、恐れ)等々をを頭のガードをとって、体を緩め、動かし、投げ出し(駄々っ子のように)大声を出して外に吐き出せば、天から与えられたあなた本来の美しい姿を見せることになる。

必要に応じて、どんな感情も自分の意思に従って自由に表現出来れば俳優として大きく一歩踏み出したことになる。

我々はこの訓練を感情の解放といっているが、それぞれの自分に対する認識の高まりに応じて実践している。

そして、あなたは本当の自分自身と出逢うことになる。

俳優としてのみならず、この人生を自分らしく生きていくことになると確信している。




ZEN